ハイクレア城に暮らす ドラマ『ダウントン・アビー』で一躍脚光を浴びた英国ハイクレア城。その城に今も住む第8代カナーヴォン伯爵家の人びとのライフスタイルを、英国フリーライター山形優子フットマンが取材。貴族の暮らしに息づく英国文化をご紹介します。水曜更新。
(今までの連載はこちら) ともにハイクレア城を守る人々
ペンキ塗りなど部屋の修復を常に手がけるベテランスタッフのパットさん。ハイクレア城には定年による就労制限がなく、代々カナーヴォン家にで働く人がたくさんいます。1999年にお嫁にいらしたレディ・フィオーナの最初の仕事は、使用人たちの言葉に耳を傾けることでした。
部屋の修復にかかせないのがペンキ塗りですが、パットさんは3代の伯爵に使えてきたベテランです。レディ・フィオーナが城のインテリア修繕に携わる際の右腕は、当然パットさんです。城には夏のハイシーズンには1日1400人が押し寄せますから、壁紙よりも耐久性のあるペンキがふさわしいのです。