今様のセンスが光るホリデー・コテージの改造
広大な敷地内にあるホリデー用の貸し家ロンドン・ロッジ。 5000エーカーの敷地内には使用人のコテージなども含め40軒の家があるそうです。そのうちの数軒をショートステイ用のホリデー・コテージに改造中です。
古い外観とコテージ自体が持つ雰囲気をこわさないように配慮しながら、現代の生活習慣にマッチするよう、風呂場もモダンな仕上がりに。コテージには現代の家具も取り入れます。
レディ・フィオーナには、ちょっと面白い癖があります。部屋のどこにベッドを置いたら一番よいかを模索するために「自分が床のあちこちに寝っ転がってみるしかない」というのです。その様子を想像しただけで愉快な気分になりませんか。
「伝統を守る一方でプラクティカルな問題解決を心がけています」と語る彼女の鉄則は「できるだけ英国製を使う」、「必ず記録に残す」こと。「城の外観は男性的、内装は女性的な暖かい色を基調」、これが、ハイクレア城の持ち味なのです。
ホリデー・コテージの一つ、ロンドン・ロッジの内装は現代的な設えに彩られ、そこここに伯爵夫人のセンスが光ります。 最近改造に着手したもう一つのホリデー・コテージは貸し家グロット。バスルームなどはすべてモダンで使いやすいとか。●フィオーナ・カナーヴォン伯爵夫人/ロンドン生まれ。6人姉妹の長女。 セント・アンドリューズ大学で英語とドイツ語を専攻、ロンドンで国際会計士として働く。1999年カナーヴォン伯爵と結婚。一人息子エドワードの母。ハイクレアのガイドブックをはじめハイクレア絡みの数々の著書をしたため、歴史家として知られる。趣味は乗馬、読書。オフィシャル・サイトは
https://www.ladycarnarvon.com/次回は3月5日更新。お楽しみに。
山形優子フットマン
フリーライター
上智大学文学部社会学科卒業。カルフォルニア州立大学心理学科でヒューマニスティック・サイコロジーを専攻、修士課程修了(ロータリー財団奨学生)。新聞記者を経てフリーライターに。在英約30年。イギリス人男性と結婚、3人の娘の母。著書に『憧れのイングリッシュガーデンの暮らし』(エディシォンドゥパリ)、『なんでもアリの国イギリス なんでもダメの国ニッポン』(講談社文庫)他。