2013年には『赤城乳業BLACKシリーズ』で、第50回ギャラクシー賞CM部門 優秀賞、第53回ACC賞テレビCM部門ACCシルバーを受賞している。 ――仕事をされる際に心がけているのは、どんなことですか?
「僕が言うのもなんだけど、誠実でありたいとは思っています。誠実って何だかわからないし、お客さんを子供にたとえちゃいけないんだけど、子供には甘いものをあげすぎず、できるだけ体にいいものを食べてもらわなきゃと思っていて。だから、糖分が少ない珍味みたいな作品になっちゃうんだよなぁ(苦笑)。自分が若い頃には“面白ければ大丈夫”という言葉があって、本当に面白ければそれでよかった。でも、面白いにも色々あって、たとえば僕は暇があると、ついソーシャルゲームをやってしまうんだけど、気がつくとすっかりハマって恐ろしく時間が経っている。それは面白いけど、絶対に役には立たない。“面白い”には、そういうものもあることを、知っておかないとね」
――今後の活動について、どんな展望をお持ちですか?
「せっかくだったら、本当は1年くらい休みたいんですけどね。なかなかそうもいかない。独楽が止まって倒れたら自力では起き上がれないように、1年も休んじゃうと、一生復帰できなさそうだし(笑)」
――もしも休めたとしたら、何をしたいですか?
「ゲームかな(笑)。で、酒を飲んで、旅行をする。アウトプットばかりしていると、インプットしたくなるんです。でもその前に、いくつか放ったらかしのままになっている作品があるので、なんとかしたいですね」
1月20日には、新宿LOFTで『しりあがり寿PRESENTS 新春!(有)さるハゲロックフェスティバル’18』を開催する。今年で10周年を迎える、しりあがりさんの事務所の公開新年会だ。※サイン入りイラスト、チェキのプレゼント応募は、申し込みを締め切りました。 しりあがり寿/Shiriagarikotobuki
漫画家
1958年、静岡市生まれ。1981年に多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒業。会社勤めの傍ら、1985年に単行本『エレキな春』で漫画家デビュー。1994年に独立。2000年に『時事おやじ2000』『ゆるゆるオヤジ』により第46回文藝春秋漫画賞、2001年に『弥次喜多 in DEEP』で第5回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞、2011年に『あの日からのマンガ』で第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。2014年に紫綬褒章受章。