切れ長の瞳がきれいな古川雄輝さん。──臨機応変に対応できないといけないので、鍛えられますね。
「そうですね。次は何のシーンを撮るか、日本の映画だったら助監督さんに聞けば必ずわかるんですけど、『俺もわからない』と言われちゃう。そんな状態で現場に入って、ちょっと話して、これでやろう、はい本番! そこでいかにすぐ対応するか。僕は演じ方をある程度考えてから現場に入るタイプなのですごく大変でした。でも、その日に撮った分はその日に編集して見せてくれて、観ると、なるほど!今日はこういうものを作っていたのか、と納得するんです。面白いものが撮れているのだから、もう信用してやるしかないと思えるようになりました」
──映画で2年前の自分を観て、どう思いましたか?
「撮り直したいと思いましたね(笑)。今、1年で経験することがとても多くて、自分の感覚もどんどん変わってきているので、この作品に限らず、過去の作品は撮り直したいと思うものばかりなんです。どうしてこんな風に演じたんだろうとか反省点がいっぱい出てきてしまって。今だったらこうやるのにと思ってしまいます」
──ヒロインの藤井武美さんはどんな女優さんでしたか?
「すごく上手いです! 藤井さんは、頭でまず考える僕とは逆で、その場で思ったまま、感じたままに演じるタイプなんですね。それで感情的になるシーンで過呼吸みたいになっちゃったんですが、そこまで自分の感情を持っていけるのはすごいと思いましたし、うらやましくもありました。彼女から学ぶことも多かったですね」
──本作で一番観てほしいのはどんなところですか?
「今回の映画は監督が撮りたかったものを詰め込んだ作品で、いろいろな捉え方ができるので、ここを!と簡単には言えないんですよね。セリフは日本語で舞台も北海道ですが、全体的にちょっと洋画っぽさがあって、内容はSFラブファンタジー。マジックあり、ドッペルゲンガーあり、さまざまな要素が詰まった映画ですが、単純にこの季節にぴったりのラブストーリーとして観てもいいし、マジックを楽しみに観てもいいし、海外の人なら流氷や桜など日本の美しい風景を楽しむのもいい。そんな映画に仕上がっていると僕は思うので、観てほしいもの、伝えたいものを一つに絞るのは難しいです」
自分の意見をしっかりはっきり話すところは、帰国子女的!?