心癒やす温泉宿 第3回(全17回) 今、行くとしたら、どこの温泉宿なのか。温泉宿ウォッチャーの意見を伺いながら、これまでの湯宿取材と併せ、改めて真剣に考えてみました。
前回の記事はこちら>> ウェスティン都ホテル京都 数寄屋風別館「佳水園(かすいえん)」(京都府 京都けあげ温泉)
最上級の客室の一つ「月1」のバスルーム。低張性弱アルカリ性の単純温泉は筋肉痛や関節痛の改善、疲労回復などに効果あり。創業130周年を機に天然温泉をひき込んだ
客室にいると、聞こえるのは木々の揺れる音だけ。京都駅から車で15分ほどとは思えぬ静寂に包まれた「佳水園」は、「ウェスティン都ホテル京都」の広大な敷地の一角にあります。
ホテルの奥座敷ともいえるこの別館は、1959年に日本モダニズム建築のパイオニアであった村野藤吾が手がけたもの。創業130周年を機に村野の意匠を継承しつつリニューアルし、敷地内での掘削で湧き出した天然温泉をひき込んだ、より広々とくつろげる空間に生まれ変わりました。
「村野先生のデザインによる『白砂の中庭』は、杯と瓢箪を表現したもの。館内には随所に見どころがあります」と女将の松元さん。常に刷新を重ねる心地よい名宿には、「人」あり
華頂山の連なりに沿うように建つ佳水園には趣の異なる客室が12室。どの客室でも、かけ流しの源泉を満喫できます。
「お湯を愛で、建物を愛で――。泊まることが旅の目的となる宿になれればと思います」と女将の松元美抄さん。宿泊前からゲストの要望をヒアリングする「佳水園プラン」の丁寧なサービス、庭園スタッフが日々手入れをする庭の美しさ、料理長入魂の贅沢な夕食と京都らしい朝食の味わい深さ。
右・1日1組の「佳水園プラン」冬のディナーから「若狭甘鯛の聖護院蕪蒸し」。左・「フカヒレと黒鮑ソテー 丸仕立て餡」は宿のスペシャリテ。行き届いた技と想いがあってこそ、歴史的建造物での滞在がより心に刻まれます。一期一会のおもてなしに、時を忘れてくつろげることでしょう。
下のフォトギャラリーから詳細をご覧いただけます。 Information
ウェスティン都ホテル京都 数寄屋風別館 佳水園
京都市東山区粟田口華頂町1
- 1室2名利用時で1泊朝食付き1名7万7165円~ ご紹介した「佳水園プラン」は同朝夕食付き1名13万4090円~(いずれもサービス料込み) 全12室 IN15時/OUT12時
撮影/大泉省吾 取材・文/露木朋子 ※入湯税や宿泊税などが別途かかる場合があります。表示されている宿泊料金は原則、シーズンの最低料金です。INはチェックイン時間、OUTはチェックアウト時間を表しています。料理は状況によって食材、盛りつけなど一部内容が変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。
『家庭画報』2022年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。