料理研究家の二階堂多香子さんは、外交官のご主人に伴って、19年間を6か国で過ごしました。そのうちの一つ、イランでの思い出を彩るのが「ニコラ・フィアット」のシャンパーニュです。
「イスラム教のイラン国内の店ではお酒が買えないので、特別なルートで取り寄せていました。わが家ではよくいろいろな国の女性をお呼びして、シャンパーニュと軽い食事の会を開いて喜ばれたものです」。
選び抜かれたグランクリュのピノノワール50パーセント、シャルドネ50パーセントを使用したエレガントな味わい。10年間長期熟成させることで豊かな仕上がりに。ブリニはクラッカーの代わりになるよう小さく焼き、キャビアやサーモンを巻いていただく。「外国のかたがたはこのサイズを見て、日本人らしいと喜ぶのですよ」と二階堂さん。そんな思い出深いニコラ・フィアットの中でも、ぶどうのできが最高の年に造られるのが「パルム・ドールブリュット」です。特別な味に添えるのは、小さめに焼いたブリニと、実はイランの隠れた名産品というキャビア。
高級感のあるシックなボトルは、特別な贈り物にも。「パルム・ドール ブリュット 2008」2万1020円/ニコラ・フィアット「当時は自由に外に出ることが難しい時代。そんな中、おうちで華やかな泡を囲むと気持ちが明るくなりました」。
シャンパーニュがもたらす喜びの時です。
二階堂多香子(にかいどう・たかこ)さん
Takako's Kitchen主宰。海外生活で学んだ各国料理やテーブルコーディネート、おもてなしが人気。近著は『あなたがもっと素敵に輝くまた会いたくなる人のマナー』。 表示価格はすべて税込みです。
撮影/本誌・坂本正行(静物) Naoya Yamaguchi(人物)
『家庭画報』2022年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。