親と自分のために──知っておきたい認知症介護の話 第2回 認知症に向き合うには事前の備えが大切です。介護する側とされる側、お互いが幸せに過ごすために、さまざまな分野の専門家から具体的なアドバイスを伺います。
前回の記事はこちら>> 〔今月の専門家〕ファイナンシャルプランナー 黒田尚子(くろだ・なおこ)さん黒田尚子FPオフィス代表。自らの乳がん体験をもとに、がんをはじめ病気に対する経済的備えの重要性を訴える。老後・介護・消費者問題にも注力。NPO法人「がんと暮らしを考える会」理事。医療費や介護費の保障だけでなく、認知機能の低下によるトラブルで発生した損害費用を補塡する保険も。
認知症の介護では長期間サービスを利用することが多く、費用も高額になりがちです。前回ご紹介したように認知症になると月々の介護費用に約7.6万円かかっているというデータもあります。このような経済的負担の備えの一つとなるのが認知症保険です。
「認知症保険の加入を検討するにあたり、さまざまな介護リスクに対して自助努力あるいは公的制度でどの程度費用を賄えるのかということを最初に確認しましょう(下図)。そのうえで預貯金がない、利用できる公的サポートが少ないなどの状況に置かれている場合は、割安な保険料である程度の保障が受けられる民間保険に加入し、将来の介護に備えておくのも一つの方法です。また、独身の人でサポートしてくれる身内が少ない場合も費用を支払って、介護を頼まなければならないので加入の必要性は高まります」とファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは話します。
認知症の経済的リスクに備える方法と認知症保険の種類
因みに認知症保険に加入するのは60~70代の女性が多い傾向にあるそうです。