保険の中身をよく吟味して、自分のリスクに合った商品を
認知症保険は「治療保障タイプ(生命保険)」と「損害補償タイプ(損害保険)」に大別されます。治療保障タイプは医療費や介護費を賄うための保険で、本人が事前に加入し、認知症と診断された場合に一時金あるいは年金が受け取れます。
「このタイプの保険は種類が豊富で加入条件や給付条件なども異なるため、中身をよく吟味して自分のリスクに合った商品を選ぶことが肝心です」。
たとえば一時金タイプはできるだけ割安な保険料で加入したい、初期費用に備えたい人向けです。これに対し年金タイプは介護が長引いたときの負担増に備えたい人に適しています。
「どの保険も必ず確認したいのが給付条件。給付までの期間を設定されている商品は認知症と診断後すぐに給付を受けられないので注意しましょう」。
また、認知症を発症すると本人が加入していることを忘れてしまうことがあるため、家族と情報を共有しておくことも必要です。
一方、損害補償タイプは認知症の人が引き起こすトラブルや負傷にかかった費用の実損分を補塡する保険で、個人賠償責任保険や傷害保険がそれにあたります。本人だけでなく、認知症になってから家族が加入することも可能です。
「近年は、この保険料を公費負担してくれる自治体も増えています。また、個人賠償責任保険は自動車保険や火災保険、クレジットカードなどに付帯されていることもありますので、加入する前に確認してみましょう」
『家庭画報』2022年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。