自分らしいスタイルの中に、トレンドを賢く取り入れたい――そんな迷い世代の女性に、スタイリストのおおさわ千春さんが、今季おすすめのアイテムをご紹介するこの連載。第37回は、大人が上手にピンクを取り入れるための方法を伝授します。
前回の記事を読む>>第37回 大人ピンクの正解は「なじませピンク」
年明け最初の回は、春に向けて、大人がピンクを上手に着こなすためのコツを取り上げたいと思います。見た目も気持ちもぐっと華やぐパワーを持つ色、ピンク。しかし肌のトーンや質感が変化してきた大人にとって、ピンクほど難しい色はありません。同じ色調の中でも微妙なトーンを見極めるべきなのです。
一般的に「ピンク」といって想像するパステルピンクは、くすみがちな大人の肌には映えないので、やめたほうがベター。この連載で以前ご紹介したように、日差しが強い夏場なら、鮮やかなフューシャピンクはおすすめですが、今の柔らかな光には強すぎます。春先に着るピンクは「自己主張しないピンク」を選ぶのがポイント。差し色としてピンクを効かせるのではなく、できるだけ装いになじませると洗練された印象になります。
私のおすすめは、ラベンダーがかったグレイッシュなピンクです。では、一体どんなピンクをどのように取り入れるといいのか、具体的なコーディネートやアイテムをご紹介していきましょう。
ピンクは顔まわりから離して
ボトムスに取り入れる
顔映り良く見せたい!とピンクをトップスに持ってきたくなる気持ちはわかりますが、大人はあえてボトムスに取り入れましょう。それだけでぐっと洗練度が高まります。ピンクはすごく主張のある色なので、顔まわりから離しても華やぎは薫るので大丈夫。このコーディネートのように、全体の印象はブラウンだけれどなんだか女らしいわね、くらいを目指すのが丁度いいんです。
透け感のあるトップスに、ピンクのプリントスカートを合わせて。「モカブラウンとピンクは大人に映える色合わせ。ピンクを“甘く見せない”のが洗練されて見えるコツです」。オーガンジートップス18万3700円 バッグ8万1400円/ともにファビアナフィリッピ(アオイ) スカート6万8200円/ストラスブルゴ ネックレス13万2000円/ジュエル・ジェイジー「なじませピンク」を
小物でさりげなく取り入れる
小物でピンクを取り入れるなら「差し色」として使わないこと! 差し色としてビビッドに効かせると甘さが増して、“痛い”印象になりかねません。洋服と同じグレイッシュなピンクの小物を「なじませる」ことで、優しげなムードが漂うシックなスタイルに。
おおさわさんの定番色、グレーに美しくなじむのがラベンダーピンク。バッグにもピンクみを帯びたグレーをチョイス。「ストールは、襟元に巻くだけでなく、バッグと共に持っているだけでもピンクの華やぎ感が薫ります」。カーディガン5万8300円 パンツ7万5900円/ともにイレブンティ シャツ5万3900円/ステファノ モルタリ ストール4万9500円/バンフォード バッグ10万4500円/アフラ(三喜商事) ネックレス8万8000円/ドナテラ・ペリーニ(日本橋三越本店 本館3階ミグジュアリー) シューズ10 万8700円/セルジオ ロッシ(セルジオ ロッシ カスタマーサービス)小物はグレイッシュな
ラベンダーピンクをチョイス
「大人のピンク」として私がおすすめするのは、グレイッシュなラベンダーピンクの小物。洋服のトーンの延長線上にあるピンクをなじませて持つことで、フェミニンさもありながらシックな印象に。ピンクは主張が強く、質感よりも色の印象が勝ってしまう難しい色なので、装い全体のピンクの分量も加減し、あえて際立たせないほうが大人っぽくまとまります。
おおさわさんおすすめのラベンダーピンクの小物がこちら。「アクセサリーでピンクを取り入れるなら、単色のものより他の色とミックスされていれば甘くなりません。ところどころにピンクが入ったフローラルプリントのバッグは、装いと“なじませる”のに便利。私自身も欲しいなと思っています」。バッグ18万8100円/ジミー チュウ シューズ10万2300円/セルジオ ロッシ(セルジオ ロッシ カスタマーサービス) スカーフ1万5950円/イヌイ エディションズ(ストックマン) カーディガン3万9600円/デパリエ(ビギ デパリエ 事業部) ネックレス14万3000円 イヤリング2万2000円/ともにドナテラ・ペリーニ リング5万600円/ペリーニ(日本橋三越本店 本館3階ミグジュアリー)大人の女性がピンクを素敵に着こなすために最も大切なこととは、「ピンクを着ると可愛く見える」という思い込みから抜け出すことのような気がします。ピンク=可愛いが通用するのは若い世代まで。迷い世代を迎えたら、肌のトーンや質感の変化に合わせて、どのピンクが似合うのかを見直してみてください。今の自分を一番綺麗に見せてくれるピンクで、春のお洒落を楽しんでいきましょうね!
●お問い合わせ
アオイ
電話 03-3239-0341
三喜商事(イレブンティ)
電話 03-3470-8237
三喜商事(ステファノ モルタリ)
電話 03-3470-8232
三喜商事(バンフォード、アフラ)
電話 03-3470-8233
ジミー チュウ
フリーダイヤル 0120-013-700
ジュエル・ジェイジー
電話 03-6778-8189
ストックマン
電話 03-3796-6851
ストラスブルゴ カスタマーセンター
フリーダイヤル 0120-383-563
セルジオ ロッシ カスタマーサービス
電話 0570-016600
ビギ デパリエ 事業部
電話 03-6696-6745
日本橋三越本店 本館3階ミグジュアリー
電話 03-3274-8248
おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト。
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
〔迷い世代の服選び〕40代からのコーディネートに必要なトレンドアイテム
表示価格はすべて税込みです。
撮影/大見謝星斗 編集協力/湯澤実和子