『定形外郵便』
装幀/新潮社装幀室堀江敏幸 著/新潮社『芸術新潮』にて長期連載中のコラム7年分をまとめたエッセイ集。
ジャコメッティやピカソ、倉俣史朗の作品、子どもの頃の思い出、本、音楽、つい先日の出来事。著者が鑑賞、考察、生活から丁寧に掬い出した「美」を、言葉で味わうことができる。
読者は、短い文章のなかで、時間や空間を自在に往来して紡がれる「美」についての言葉そのものにも「美」が宿っていることに気づく。
毎日の締めくくりとして一編を嚙み締めるように読めば、今日、少なくとも一つは“佳きもの”を得ることができたと満足しながら眠りにつくことができるだろう。
「#今月の本」の記事をもっと見る>> 『家庭画報』2022年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。