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女性外来の扉を叩いてみませんか? 名医が語る「閉経後を健やかに過ごすための極意」

2022.02.03

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自身の強烈な更年期体験から性差に基づく女性外来を開設


「47歳から59歳まで足かけ13年、予期せぬ不調が次々に襲ってきました。何百人も診察してきた中で私よりひどい更年期症状の女性にお目にかかったことはないとお話しすると患者さんは非常に安心されますが、決して誇張ではなく、本当に苦しめられました」。

天野先生の体に最初に異変が生じたのは大量の月経血でした。貧血状態になり、産婦人科で薬物治療をしたものの、尿が出なくなり、腹部エコー検査を受けると子宮筋腫が見つかりました。

50歳で子宮と卵巣を摘出し、「女性ホルモン(エストロゲン)が低下しても、ホルモン補充療法を行うから更年期症状は大したことないはず」とたかをくくっていたら、足裏が象の皮膚のように硬くなり、大量の汗が頭や顔から流れ出すといった症状に見舞われます。


その後もしびれ、倦怠感、強い冷えなどが次々に現れ、厄介なことに検査しても数値は正常で、原因が特定できませんでした。

もはやホルモン剤は効かず、漢方、気功、鍼灸、温泉など体によさそうなものはすべて試し、更年期に関する文献も読み漁ったといいます。

「高名な産婦人科医に何度も話を聞いたけれど解決策はなし。女性医療に関する医療・医学の遅れを痛感し、これは自分でやるしかないと」。

堂本暁子・元千葉県知事

「わが県で性差医療を始めてほしい」と日本初の女性外来の開設を応援してくれた堂本暁子・元千葉県知事(左から2人目)とは同志のような間柄に。

こうして米国の性差医療に関心を持った天野先生は、自分と同じように更年期のつらさを理解してもらえず、行き場のない女性たちのよき相談相手になりたいと、性差医療に基づいた女性医療を日本に導入することを決意。

2001年に鹿児島大学病院と千葉県立東金病院に日本初の女性外来を開設します。

(次回に続く)

〔特集〕女性特有の不調を解消し、更年期からの健康を支える 「性差医療」最前線(全8回)

撮影/鍋島徳恭 ヘア&メイク/木下庸子〈Plant Opal〉 取材・文/渡辺千鶴

『家庭画報』2022年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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