旬を愛でる花旅・庭めぐり(20)
〜東京・神代植物公園
ガーデニングエディターの高梨さゆみです。毎週更新の花と庭を愛でる旅情報、今回はすぐ身近に咲いているツバキの魅力、再発見の旅へのお誘いです。早咲きの品種はすでに咲き始めているので、春を待たずに早々に出かけても楽しめますよ。
【連載】旬を愛でる花旅 ・庭めぐり -1月の花の名所[第16回] 太平洋に浮かんでいるよう。不思議なチューリップの景色を見に初花詣でへ[第17回]新春、エレガントなアザレアに出会う。生産量日本一の県とは?[第18回]鎌倉の寺境内にある、知る人ぞ知る英国風ガーデン&テラスレストランへ→花の名所をもっと見る神代植物園に咲く‘数寄屋侘助’。ごく淡いピンクと侘助ならではのシンプルな花形が本当に上品。花期は11月〜4月。ツバキの見頃はいつ?
ツバキはツバキ科の常緑中木で、学名
Camellia japonicaを見てもわかるように日本に自生する花木です。現在でも垣根か、庭木としてよく利用され、ごく身近な花木ではないかと思います。
では、ツバキの花の見頃はいつですか? と聞かれたら、返事に困る方もいらっしゃるのではないでしょうか。冬の花の印象もあるし、春に各地でツバキ祭りが開催されているし……。
ツバキの種類は世界に約5000種あるといわれていて、品種改良は現在でも進んでいます。花色や花形が違うのはもちろん、品種によって開花時期もかなり異なります。
おもな品種は冬から春にかけて咲きますが、なかでも11月〜翌年2月くらいに咲き出す品種と3月〜4月が特に多く、バラが咲き出す頃まで咲いている遅咲き品種もあります。
また、早秋咲きといわれる9月〜10月に咲き始める品種もあります。つまり品種を替えて植えておけば、9月~翌年5月まで、約9か月も花を楽しめるのがツバキなのです。
各地で行われるツバキ祭りが3月〜4月開催なのは、その時期に咲く品種が多くあり、それを中心に植えているからで、どの品種を多く植えているかで、その地のツバキの見頃は変わってきます。
今回は、東京の郊外にある神代植物園を見所としてご紹介しますが、ここでもやはりツバキ祭りは3月に開催されます。でも、その前から咲いている品種も多いので、あえて祭りの時期をはずし、静かにゆっくり観賞してみることを提案します。