「ベルナルド」のキャビア専用プレートと「エルキュイ」のキャビアナイフはパリで求めたもの。お母さまから受け継いだ「バカラ」のキャニスターにサワークリームを入れて、「カルロモレッティ」のグラスにシャンパンを注いで。ガラスのフラワーベースにはパフィオを1輪。Tips2
専用アイテムが楽しい気分を盛り上げる
フランスでは、食前酒のアペリティフや、食後の余韻を楽しむディジェスティフは、食事をより楽しくするものとして一般家庭でも親しまれています。気の合う人と一緒でも、ときには一人でも。多美保さんはお酒を楽しむときは、お気に入りのグラスや食器を並べ、ゆったりと過ごすための贅沢で小さな空間をつくります。
そのセッティングに登場するアイテムの中でも特に気に入っているのが、キャビア用のプレート。キャビアの瓶や缶がぴったり入るよう真ん中がくぼんでおり、ドーム型の蓋にチョウザメの持ち手がついたデザインです。金色のリムもキャビアを模した凹凸がついています。
「その食べ物のためだけに作られた器があるのが、フランスのテーブルウェアの面白いところ」と多美保さん。ハンドルが銀、刃部分が水牛の角でできたナイフもキャビア専用のものです。
大きな仕事を終えた日や、ちょっとしたお祝いの日には、このプレートにキャビアをのせてシャンパンで乾杯。幸せ気分を味わいます。
ブルーのグラデーションが美しいクロスは、トミタテキスタイルで見つけた「ピエールフレイ」の生地で仕立てたもの。Tips3
非日常の時間を演出する小さな花と思い出の品
素の自分に戻り、心身ともに解放されて自宅でお酒を楽しむプティセッティングに、ぜひ加えたいのが花あしらい。たとえ1輪であっても、途端にリュクスな趣が広がります。
「小さな花あしらいには、花器でない手持ちの器を代用することも多いです。これは、南アフリカの旅先で見つけたピッチャー。ナッツやドライフルーツなどのおつまみを入れた、縁に銀のヒョウがついたガラス器も同じ時に求めたものです。花材はその旅をイメージしながら選びました」。
思い出の品を眺めながらグラスを傾けていると、楽しかった旅の出来事や光景が甦るのだそう。好きなものに囲まれた自分のための小さな“家飲み”コーディネートが、慌ただしい毎日の中でホッと一息つくような特別な時間を紡ぎ出してくれるのです。