マックを取り合うポリーとルーシー役は、ともに初舞台の吉本実憂さんと峯岸みなみさん。「2人とも先入観がない分、吸収がとても早いです」――クルト・ヴァイルの音楽はいかがでしょう?
「正直、最初は気持ちが悪かったですね(笑)。だけど、それを通り越すと、気持ちよくなってくる(笑)。気持ちが悪いと感じたのは、自分がそれを間違った音楽理論だと思っていたから。でも、そもそも音楽に正しい理論なんて存在しない。それは西洋音楽だけのルールであって、全ての音楽がそれで語れるわけじゃないでしょ?ということが、ヴァイルの音楽で表現されているんだと思います」
――音楽監督と歌詞は、ロックバンド「ドレスコーズ」のヴォーカリスト、志磨遼平さんですね。
「面白いですよ。言葉のポップ性とか破壊力というものをすごくわかってらっしゃるうえで、歌詞の解釈をされているので。自分も歌詞を書く人間として、志摩さんの書き方や発想にはすごく近いものを感じています」
――松岡さんにとっての、俳優として舞台に立つことの魅力は何でしょう?
「音楽には、同じメンバーや同じスタッフとずーっと長くやっていける魅力があるんですが、舞台は夏の恋みたいに、ある期間ぐわーっと燃え上がって、片時も離れたくない状態になるんだけれども、千秋楽が終わるとパーンとはじける。刺激的で、うまくいくのかな!?みたいなドキドキもあって、そこが僕にとっては魅力かもしれない。一作品ごとに、共演者やスタッフや、その作品だから集まってくれた客席の皆さんと熱い夏の恋をするような感覚が、初舞台の音楽劇『リンダリンダ』(2004年)のときからあります」