京都やまほん店主 山本忠臣さん
ギャラリスト&建築家。伊賀の製陶所の家に生まれ、設計事務所や工務店勤務を経て生活に息づくアートや工芸を提案する「ギャラリーやまほん」、「京都やまほん」をオープン。デザイン、コーディネート、建築も手がける。「大家の焼物、芯がぶれない若手の器を知ってもらいたい」(山本さん)
2000年、伊賀に「やまほん」をオープンし、10年前に海外にも発信すべく京都にギャラリーを設けた山本忠臣さん。「陶芸も漆も木工もやっていることは昔とさほど変わっていなくて、暮らしとともに受け継がれ、進化してきたものです」。
器を生活工芸の一つと捉え、特別なものになりすぎないように時代との歩幅を合わせながら、一貫して強い覚悟と意思を持った人の作品を扱ってきました。
伝統的な茶道具も扱う。唐津とアメリカで制作を続ける、中里 隆 作の「USU焼締面取り茶碗」55万円。「長いスパンで一つのことに打ち込める人はなかなかいませんが、独自の技法や考え方で作陶している作家さんに注目しています」。例えば、オリジナルの自然釉で作陶を続ける辻村 唯さんや古唐津を研究して新しい流れを模索する唐津の若手作家たち。
また、長年見続けてきたのが、世代が上の大家たちの器です。「中里 隆さん、辻村史朗さん、福森雅武さんはいずれも名を遂げた人ですが技術も人も特別です。彼らの作陶や生き方を今こそ見てもらいたいです」。
使う頻度の高い、湯呑みやお椀、プロダクトのオリジナルのカトラリーなどは展覧会中も常設。