藤野幸信さんが選ぶ「季節の贈り花」 今、この花を贈りたい! 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが“今贈りたい”おすすめの花をセレクト。その花を使った、新作ブーケ&アレンジメントをさまざまなバリエーションでお届けします。
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透き通るような淡紫色の花がフリージア「エアリーパープル」。ラナンキュラスやガーベラ、チューリップ、スイートピーなどをミックスして束ねました。ご自身の誕生日に命を授けてくれたお母さまに贈る感謝のブーケです。とびきり香りのよいフリージアで大切な方を幸せな気持ちに
春に咲く球根花で香りが魅力の花といえば、スイセン、ヒヤシンス、フリージア。なかでも少し甘く、エレガントで心地よい香りをもつのがフリージアです。しかも、フリージアは香りが強いことも特徴で、その強さは初秋になると漂ってくるキンモクセイにも匹敵するほどだそうです。たしかに部屋に飾ると空間に香りが漂い、鼻を近づけなくてもフリージアの香りを感じることができます。
さて、そんな魅力的なフリージアですが、一重咲き、八重咲きはあるものの、バリエーションが豊富とはいえなかったのですが、20年ほど前に石川県から画期的な品種がデビュー。そのシリーズ名は「エアリーフローラ」、優雅な春の女神という意味です。
絹のようなつややかなクリーム系の「エアリーシルク」。気品ある花姿に惚れ惚れします。シリーズの中でもっとも大輪の品種で、ブーケにしても、フローラルフォーム(オアシスなど)を利用したアレンジでも存在感抜群!香りのよさはもちろん、「エアリーフローラ」は花色がとても魅力的。
以前のフリージアは鮮やかな黄色か白、紫といった花色が主流でしたが、「エアリーフローラ」はニュアンスのある中間色で、デビュー当時は7色でしたが、現在は11色まで増えています。どの色もほかの春の花と合わせやすく、とても使い勝手がよくて気に入っています。しかも、一般的なフリージアより花が大きいので、散らすように挿し入れても存在感があります。
「エアリーフローラ」は2月初旬から本格的な出荷が始まり、4月末くらいまで出回ります。
ちょうど卒業や入学、また就職や転勤などの時期と重なることから「旅立ちを祝う花」という素敵なキャッチフレーズがつけられています。たくさんついた蕾が一つずつ開花していく様子を見ていると「明日はもっといい日になる」とポジティブな気持ちがわいてきます。花もちもよく、長く香りを楽しめるので、この時期の贈り花にぜひ利用してみてください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。感動する花束を多くの人に届けたいという思いから、市場からだけでなく自ら生産者情報を入手してお気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。著書
『大切な人への贈り花』も好評。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載したオールカラーの大判の単行本。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。