自分らしいスタイルの中に、トレンドを賢く取り入れたい――そんな迷い世代の女性に、スタイリストのおおさわ千春さんが、今季おすすめのアイテムをご紹介するこの連載。第42回は、大人になるとなぜか似合わなくなってくる「デニム」の、格好いい着こなし方を提案します。
前回の記事を読む>>第42回 デニムを着るなら、「キレイめ」を目指しましょう
スタイリストをしていてよく受けるのが、迷い世代の女性からの「最近デニムが前ほど身体になじまなくなった気がして、どんなのを選んだらいいかわからない」というご質問。そう、迷い世代になると、作業着に端を発するデニムの硬い肌あたりやしめつけ感が気になり、避けがちになりますよね。でも、デニムの持つカジュアル感って唯一無二ですし、だからこそ大人の女性が格好よく着こなしていると素敵に見えるもの。トライしたい気持ちは誰の心の中にも継続しているはずだと思います。
そこで私からおすすめしたいのは、デニム素材の小物を上手にアレンジすることと、洋服なら柔らかみのあるシャンブレー地など「デニムライク」な素材を取り入れること。そもそもが“若い印象”を与えるアイテムだからこそ、全体をそのトーンにしてしまうと年齢との違和感が出てしまうので、キレイめなコーディネートに仕上げるのもポイントです。今回は、大人デニムの上手な楽しみ方をお伝えしようと思います。
バッグで取り入れる
ラグジュアリーなデニム
私のおすすめは、デニムを小物で楽しむこと。今季は、ルイ・ヴィトンからもデニムコレクションが登場していて、「さすが、ルイ・ヴィトン! カジュアルな素材もこんなにラグジュアリーになるのね。しかも可愛い!」と、改めて感激しました。デニムの持つリラックス感と気品とが両立していて、大人がさりげなく持つのにぴったりのバッグだと思います。
4種類のデニムをイエローの糸でパッチワーク状に縫い合わせたデザイン。「かちっとしたスクエアフォルムのエレガントな『カプシーヌ』に、カジュアルなデニムの組み合わせが洒落ていて、まさに大人の遊び心が表現されたバッグだと思います。“一生もの”になるデニムバッグですね」「カプシーヌ BB」バッグ(横27×縦18×マチ9㎝)68万7500円(ストラップ付き) スカーフ(45×45㎝)3万6300円/ともにルイ・ヴィトン(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)ストーンウォッシュ風の質感でアップデート。「デニムで表現されたモノグラム・パターンが新鮮! ネイビーのタートルにパンツのような、シンプルシックな装いにあわせると素敵」。〈左〉「ループ」(横23×縦13×マチ6㎝)29万3700円 〈右〉「スピーディ・バンドリエール 25」バッグ(横25×縦19×マチ15㎝)29万400円/ともにルイ・ヴィトン(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)「デニムライク」を上手に楽しめる
軽やかなシャンブレー素材
デニムそのものをまとわなくとも、デニムの醸すカジュアルな雰囲気を異なる素材で上手に取り入れると、大人に映えるスタイルになるのでおすすめです。こちらは、実はドライな質感が気持ちいいリネンシャンブレーのパンツ。歩くたびにひらりと動くエアリーな質感が女性らしく、同時にカジュアルな抜け感が楽しめます。
おおさわさん自身も買いたいと思っているというシャンブレー地のパンツに合わせたのは、アーティスティックなプリントのニット。「私の大好きなトリコロールの色合わせ! マリン調が迷い世代を元気に見せてくれますよ」。ニット9万2400円 ブラウス7万400円 パンツ6万6000円 ストール2万9700円 バッグ6万8200円 シューズ6万1600円/すべてエンポリオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン)カジュアルになり過ぎない
モダンなセットアップ
こちらもデニムではなく、コットンリネン素材のセットアップ。深いインディゴブルーの表地と裏地とを切り替えてメリハリを出したモダンな雰囲気が大人っぽくて素敵。カジュアルになり過ぎないよう、アクセサリーで光をプラスし、小物は白でまとめました。
トップスの両サイド、スカートの前半分を裏地使いにすることで、ほっそり見せる視覚効果も。「ストールには、あえて強い色は入れず、同系色でまとめることで落ち着いたムードに」。トップス2万9700円 スカート3万3000円/ともにディウカ ネックレス2万5300円/ラ・キアーヴェ バングル1万1000円/253ビジュー(すべてドレスアンレーヴ) シューズ6万4900円 サングラス4万2900円/ともにジミー チュウ バッグ21万8900円/セラピアン(セラピアン 阪急うめだ本店) ストール2万9700円/イヌイエディションズ(プレインピープル青山)デニムの着こなしは年齢とともに変わっていくもの。素材感やデザイン、色合わせなどで今の自分に似合うようにチューニングすることが大事です。そして、大人っぽく着るためには「カジュアル過ぎず」を目指してみて。似合わなくなったから諦めるのではなく、今の自分にフィットする方法を探してみることがお洒落を進化させていくのだと思います。
●お問い合わせ
ジミー チュウ
フリーダイヤル 0120-013-700
ジョルジオ アルマーニ ジャパン
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セラピアン 阪急うめだ本店
電話 06-6313-7536
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電話 03-5468-2118
プレインピープル青山
電話 03-6419-0978
ルイ・ヴィトン クライアントサービス
フリーダイヤル 0120-00-1854
「迷い世代の服選び」連載はしばらくお休み。4月から装いも新たにスタート予定です。お楽しみに。
おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト。
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
〔迷い世代の服選び〕40代からのコーディネートに必要なトレンドアイテム
表示価格はすべて税込みです。 撮影/大見謝星斗 編集協力/湯澤実和子