甘さと辛さが粘膜を充血させる。“味の医学”で考えるアレルギー
日本で初めてスギ花粉症が発見されたのは1963年でした。その後急激に増加しますが、杉に囲まれた高野山や比叡山の僧侶にはほとんどみられず、その理由の一つが粗食だと考えられています。砂糖、乳製品、肉類を多く摂るようになった一般的な食生活の欧米化と花粉症の増加がリンクしているのです。
漢方には食べ物の味そのものが体に及ぼす影響に注目した「味の医学」ともいうべき理論があります。それによると「甘(かん)」や「辛(しん)」には粘膜を充血させる働きがあり、花粉症の症状悪化の原因となります。砂糖や唐辛子はたんぱく質ではないので通常のアレルギー検査には引っ掛かりませんが、この時期は特に控えたほうがよいといえます。
撮影/本誌・武蔵俊介 イラスト/浜野 史 取材・文/浅原須美
『家庭画報』2022年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。