藤野幸信さんが選ぶ「季節の贈り花」 今、この花を贈りたい! 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが“今贈りたい”おすすめの花をセレクト。その花を使った、新作ブーケ&アレンジメントをさまざまなバリエーションでお届けします。
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輝くような黄色のミモザに、淡いクリーム色のラナンキュラス「ラックス」2種を合わせたブーケ。ミモザの日が誕生日の奥さまへの、ボリューム感があり、しかも軽やかな雰囲気の贈り花です。3月8日「国際女性デー」にはミモザの花を
国連によって3月8日が「国際女性デー」に制定されたのは1975年のこと。イタリアではそれ以前から同日は「ミモザの日」として男性が母親や妻、仕事仲間の女性などにミモザを贈って日頃の感謝の意を示す習慣があったそうです。
日本ではまだ広くは普及していないものの、全国のミモザ生産者さんたちは「ミモザの日」に向けていっせいに出荷します。ミモザの出荷は2月には始まり、2月中旬にはピークを迎えます。そのため。3月8日は最後に近い出盛り期となりますが、確実に市場に出回る期間なので、この時期の贈り花にミモザを使わない手はないと思います。
ミモザの枝を長いまま花器に挿して。ミモザが入荷すると店内がぐっと明るく春めきます。ミモザとは、銀葉アカシアや房アカシアなど黄色の花が房状に咲くアカシアを総称した英語の呼び方です。小さなボール状のふわふわの花が開くと、房全体が輝くような黄色になり、まるで春の日だまりのよう。ミモザだけを束ねても、ほかの春の花と合わせても、明るく軽やかなブーケやアレンジに仕上がります。
花だけでなく、シルバーがかった繊細なリーフも魅力的で、ブーケやアレンジに加えるとしゃれた雰囲気になります。花木類の切り花は出回り時期が限られている種類が多いので、贈り花に加えるとより季節感をアピールできる利点もあります。
数えきれないくらい種類豊富な切り花ですが、1種だけを束ねてもボリューム感があって「絵になる花」の一つがミモザだと思います。そのままドライにして楽しむこともできるので、ブーケのほかリースにして贈るのもおすすめです。枝の根元を割ってしっかり吸水させるのが長持ちさせるポイントです。
下のフォトギャラリーから詳しくご覧いただけます。 藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。感動する花束を多くの人に届けたいという思いから、市場からだけでなく自ら生産者情報を入手してお気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。著書
『大切な人への贈り花』も好評。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載したオールカラーの大判の単行本。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。