お祝いやお土産など、贈り物を渡す際に、オリジナルの水引結びを加えて、感謝や喜びの気持ちをさらに伝えてみませんか? 気持ちを伝えるさまざまな水引の種類についての基礎知識を明治時代から続く祝儀用品店「荒木蓬萊堂」の荒木隆弘さんに教えていただきましょう。
〔結び方〕
用途や相手、包みに合わせて豊富なバリエーションが
水引の結び方としてよく用いられるのは、あわじ(あわび)結び、真結び、もろわな結び(蝶結び)の三種類。あわじ結びは、特に関西圏において慶弔ともに広く用いられています。
あわじ(あわび)結び
婚礼、弔事、一般のお祝い、お見舞いなどオールマイティに使われます。真結び
婚礼や弔事など、厳粛さを求められる事柄に。もろわな結び
婚礼以外の祝い事やお礼、季節の贈り物などに。一般に「真結び=婚礼、弔事など、二度とあってはならないことに。蝶結び=ほどきやすいので幾度あってもよいことに」といわれますが、清めの徴しるしである水引は元来、再利用してはならないもの。用途は同様でよいと思いますが、真結びは真一文字の引き締まった姿から、厳粛であることを求められる事柄に、もろわな結びは二つの輪が示す広がり、開放的な様子から、より打ちとけた贈答機会に、と解釈してはいかがでしょう。あまり固定観念にとらわれず、贈る相手を考えながら目に麗しい姿形を求めることで、心も伝わるのではないかと思います。