ジャケット25万3000円、パンツ11万6600円、ニット9万1300円、シューズ(参考商品)/エトロ(エトロ ジャパン)共演者と創り上げる演劇の世界
『エリザベート』のルドルフ役で彗星のごとく現れた井上芳雄さんは、2020年にデビュー20周年を迎え、今や日本のミュージカル界を牽引する一人となった。
数々のミュージカル作品に出演するだけでなく、メディアを通してあらゆるアプローチでその魅力を伝えている。
直近ではサン=テグジュペリの『星の王子さま』を原作として誕生したミュージカル『リトルプリンス』に飛行士とキツネの役で出演。初演キャストの土居裕子さんと新星の加藤梨里香さんとの共演の日々をどう過ごしていたのだろうか?
「僕は音楽座のミュージカルが好きだったので、前回の『シャボン玉とんだ宇宙(そら)までとんだ』にはぜひ参加したいという思いで臨みました。2作目となる今回は、初演のときから王子を演じてこられた土居さんと共演させていただいています。それは、まるで“奇跡”を見ているような体験で、学ばせていただくことも多いですね。加藤さんの王子は土居さんとは真逆。どちらも素敵なので、それぞれと対峙することでいろんなものをいただいています。これがダブルキャストというものの本当の意味だと思います」
そう語る井上さんは2人の王子を相手に、誰もが知る名作の2つのキャラクターを見事に演じ分け、新たな一面を見せてくれた。
そんな彼への期待が募る次回作は、新作の戯曲『奇蹟 miracle one-way ticket』。井上さんが演じる探偵・法水連太郎と鈴木浩介さんが演じる医師の楯鉾寸心は、かの名探偵コンビを彷彿させる設定だ。
鈴木さんは2020年の4月に最初に発出された緊急事態宣言で公演中止となった舞台『桜の園』で共演するはずだった仲間でもある。
「『桜の園』が中止になったときは、あとはゲネプロだけという状況での決定でした。稽古をしても上演できなかったというのは、初めての経験です。鈴木さんはそうした日々をご一緒したかたであり、同じ福岡の出身で同じ高校の先輩でもあります。本当に素晴らしい役者さんなので、バディー(相棒)として共演できるのは楽しみですね。2人の出す雰囲気がこの作品の魅力の一つでもあると思います。
久しぶりに浩介さんにお目にかかって、楯鉾寸心というキャラクターに合っているなと思いました。楯鉾はチャーミングで、焦っているところを人一倍見せる人物。一方で僕が演じる法水は冷静なタイプとして描かれています。それに北村 想さんが脚本に歌詞も書かれていて、オリジナル曲を歌う場面もあるんです。それぞれに当てて書いてくださっているのかもしれません」