二人三脚で、多くの人を美しくするサロンを営む
川邉サチコさん(母)×美木ちがやさん(娘)サロンではヘアを母の川邉さん、メイクを娘の美木さんが担当。ファッションアドバイスは二人で行う。開業当時から30年通う顧客も。二人の目標は、川邉さんが美容業界に入るきっかけともなった、義母の姿。「凜とした格好いい人で、憧れです」と川邉さん。美しさへの近道は、自分自身との対話
「年齢は、単なる数字。意識しすぎないこと」といいきる川邉さん。
「80歳を迎えたときに、孫に年齢を聞かれて、80という数字を意識したら、落ち込んじゃったのね。でも、それってもったいないでしょう。それよりも、自分自身の体を健康的に“整える”ことが大切。日々整えることは、自分を見つめ直すことにもなるので、緊張感が生まれて、美しくなります」
そのために必要なのは、まずは土台づくりだと川邉さんは説きます。「肌も髪も、基本のホームケアを続けることこそが美しくなる秘訣」。幼少期からそう教わった美木さんは年を重ねるごとに、その効果を実感しているといいます。
「美しくいるためにいちばん大切なのは、自分自身と向き合い“整える”こと」
川邉サチコさんかわべ・さちこ 1938年東京生まれ。22歳で結婚後、美容家の義母と渡仏し、パリで学ぶ。世界で活躍後、94年に大人のトータルビューティサロン「川邉サチコ美容研究所」(現在のKAWABE. LAB)を開設。「自分の個性=財産です。自信を持って、自分を愛してください」
美木ちがやさんみき・ちがや 1963年東京生まれ。インテリアコーディネーターやスタイリストとして活躍後、祖母に美容を学ぶ。川邉さんとの共著『HAPPY AGEING これからの私に合うおしゃれ』(日本文芸社)がある。それでは、お二人の考える“美しいシニア世代の人”とは?
「若い女性に、清潔感がある人ですねと褒められたことがあって、最高に嬉しかった。この清潔感こそがシニアの美しさを左右する気がします」と川邉さん。
美木さんは、「個性があって、人と自分を比べずに許せる柔軟な心を持った人。自分を受け入れて、認めることが大事です。どこかに、あなたに憧れる後輩たちがいるはず。そう自覚すれば、自分磨きも楽しくなるのではないでしょうか。生涯勉強をする意気込みで、挑戦する心を忘れずに。美容は、その中で最も身近なことだと思います」。
拡大鏡、動物の毛のブラシ、上質な筆は美をつくる三種の神器
拡大鏡は視力が落ちるシニア世代に必須。「アルパン」の鏡は、カメラレンズを使用しているので歪まずよく見える。頭皮マッサージに欠かせないブラシは、ナイロンと猪毛の混合の「イジニス」のもの。「弘法は筆を選“びます”」という川邉さん。お気に入りのメイク用の筆は日本産パリ発信の「SUI(スイ)TOKYO」の製品。 撮影/本誌・西山 航 ヘア&メイク/AKANE 構成・文/小倉理加
『家庭画報』2022年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。