奈良の桜紀行 第9回(全25回) 奈良の桜こそ、私たちが今いちばん見たい風景ではないでしょうか。新たに誕生した宿、地元に愛される美食処とともに古都の桜の名所をご案内します。
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代々木村家当主が住んでいた母屋の2階にある客室「木藤」。老舗醤油蔵元が宿に
創業は1689年。戦後の材料難によって閉業していた奈良最古の醤油蔵元「マルト醤油」が70年を経た今、再興をかけて宿として生まれ変わりました。
“大和棟”と呼ばれる奈良伝統建築様式がそのまま残る屋敷や蔵を生かした客室からは、のどかな田んぼの原風景と、遠くには天香久山が望めます。
奇跡的に酵母菌が見つかったことで、途絶えていた老舗の味を復活させた18代蔵元当主の木村浩幸さんは、「ここ田原本町は日本の食文化や芸事が花開いた場所。観光地ではありませんが、醤油蔵元を通して、この地の豊かさを知っていただきたいです」と話します。
祖父の思いや地域への愛で蔵元を復活させた当主の木村浩幸さん。下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 Information
NIPPONIA 田原本 マルト醤油
磯城郡田原本町伊与戸170
- 写真のスイート「木藤」は1室2名利用で1泊2食付き1名3万5700円〜。全7室。ランチ5500円、3800円。ディナー1万円。
撮影/工藤憲二 取材・文/土橋育子 ※室料や料理の内容は、一部変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。
『家庭画報』2022年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。