ブラウンダイヤモンドの魅力をジェンダーレスに楽しむ
世界中のセレブリティからも支持される、鞄のハンドメイドブランド「エアロコンセプト」とのコラボレートにより実現した「ヘリテージリング」。細部に至るまで互いの職人技が響き合う、こだわりのものづくりが、他にはない存在感を叶えています。リング「カシケイ×エアロコンセプト ヘリテージリング2022」右(Pt×ブラウンダイヤモンド2ct)572万円 左(PG×オニキス×ブラウンダイヤモンド1.5ct)418万円/ともにカシケイ ●お問い合わせ/伊勢丹新宿店 本館4階 ジュエリー TEL:03(3352)1111ジュエリーは性差を超えて颯爽と輝く
解説/山口 遼(宝石史研究家)
指に当たる金属の輪の部分を二重にし、中央にブラウンダイヤモンドをセット。周辺の金属部分には精密機械のような孔を開け、一方には孔だけ、もう一方には漆黒の素材の飾りをつけた指輪2点は、「カシケイ」の新作です。一般的に見れば、男性用のメンズリングです。
早いもので、この連載を書き始めてからもう10年となりますが、今まで男性のためのジュエリーを扱ったことはないと思います。
日本だけでなく世界的に見ても、男性用のジュエリー、つまりメンズジュエリーというものは、全体の5パーセントもありません。これは19世紀頃からの事実です。しかし、最近では、これまでのようにジュエリーが男女別に分かれるものとはいえなくなってきました。
人間を性差で区分するという今までの流れに対して、ジェンダーフリーとかユニセックスなどの名前のもとに、作り手や使い手の性差を超えた作品が多く生まれています。
この2点の指輪もおそらく、デザインあるいは製作の段階では、メンズという意識があったろうと思いますが、こうして商品として見ますと、颯爽とした女性がこの指輪を指にする姿が容易に想像できる時代になりました。
作りもすごく凝っています。左の黒い部分は普通ならエナメルかクロコなどの革を使いますが、これは一つのオニキスの塊から掘り出したものです。ちょっと信じられないくらい、素晴らしいと思いませんか。
ジュラルミンの専用ケース付き。 表示価格はすべて税込みです。
撮影/栗本 光
『家庭画報』2022年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。