麗しき「花の洋食器」 第3回(全9回) 日々の食卓の上に広がる小さな花園。「花の洋食器」と今の暮らしに即した使い方、楽しみ方をご紹介します。
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「ヘレンド」の透かし皿、「ロイヤルベルリン」のプレート、自身で絵付けした小皿を重ねて。手前のカップは、「ロイヤル コペンハーゲン」の〈フローラ ダニカ〉。安部直子さん(あべ なおこ)モード界の仕事後、多分野で創作活動をするアーティストに。独創的な世界観の絵付け作品にファンが多い。陶磁器をはじめ、家具や壁面にも。さまざまなものに絵を描き作品制作をしている安部直子さん。技術や表現力を磨くため、数々の逸品を集めてきました。
「力量のあるペインターの作品は単なる模様ではなく、見る人の心を動かす絵として美しい」と語り、そんな審美眼で選んだ器をブランドの垣根や既成概念に縛られず取り合わせを楽しんでいます。
なかでも蓋を使いこなすアイディアは秀逸で、大きなガラス器にはカップや壺などから外した美しい蓋たちが大集合。「あちこち探すのは大変、蓋だけまとめておけばすぐにのせて見られるでしょ」。なるほど、至言です。
「花の器は春になると使うことが多いです。花びらのように幾重にもプレートを重ね、チョコレートカップをのせてデザートに。食事の締めにこういった華やかな器が出てくると、楽しいですね」と微笑みます。
下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 撮影/本誌・坂本正行 取材・文/鈴木博美
『家庭画報』2022年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。