奈良の桜紀行 第14回(全25回) 奈良の桜こそ、私たちが今いちばん見たい風景ではないでしょうか。新たに誕生した宿、地元に愛される美食処とともに古都の桜の名所をご案内します。
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「三輪山本」の手延べパスタ麺に、菜の花と昆布だし、県北東部で採れる奈良伝統野菜の片平あかねとあさりだしを合わせ、食材や香りで季節の移ろいを表現。奈良の食材、景色、文化が醸し出す春の記憶を楽しむ
バスク語で「記憶」を意味する「アコルドゥ」。6年前に東大寺の旧境内跡地に移転し、開業して15年の節目を迎えた川島宙シェフの料理は“土着と洗練”をテーマに年々進化し、春の訪れとともに料理は一気に華やかさを増します。
修業先のサンセバスチャンの名店「ムガリッツ」での経験を糧とする川島宙シェフ。敷地内の桜や奈良公園の新緑を愛でながら過ごせる。「地元の食材を使うのは純粋においしいからで、最近はそれに付随する要素も大切にしています」とシェフ。
例えば、鯛と古代醤のマリネは万葉集の歌に沿って構成し、色鮮やかなパスタは奈良伝統野菜の片平あかねや菜の花に香りを添え、名残りと旬を表現。幾つもの奈良の記憶に思いを馳せながら、深く味わえます。
下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 Information
アコルドゥ
奈良市水門町70-1-3-1
- 月曜定休・不定休あり 昼7150円、夜1万4300円。要予約。
撮影/内藤貞保 取材・文/西村晶子 ※料理の内容は、一部変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。
『家庭画報』2022年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。