親と自分のために──知っておきたい認知症介護の話 第4回 認知症に向き合うには事前の備えが大切です。介護する側とされる側、お互いが幸せに過ごすために、さまざまな分野の専門家から具体的なアドバイスを伺います。
前回の記事はこちら>> 〔今月の専門家〕介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子(おおた・さえこ)さんNPO法人「パオッコ~離れて暮らす親のケアを考える会」理事長。1993年頃より老親介護の現場取材を始める。96年、遠距離介護の情報交換の場を立ち上げ、2005年に法人化。著書に『遠距離介護で自滅しない選択』(日本経済新聞出版社)など多数。早め早めの対応を心がけ、遠くで暮らす家族以外にも近くで「見守る目」を確保しましょう
「近年は抗認知症薬の効果により症状が安定している人が増えているので、認知症になっても一人暮らしを続けることが可能になってきました」と介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんはいいます。
ただし、いつも近くで見守ることが難しい遠距離介護の場合は必要な介護サービスをしっかり入れられるように早め早めの対応を心がけることが肝心です。
「特に薬の管理ができなくなると抗認知症薬の効果が期待できず、一人暮らしを続けることが難しくなります」と太田さん。
こうした事態に備えて最初から薬局薬剤師の服薬管理サポートを受けておくのも一つの方法です。かかりつけの薬局で薬をもらう際に相談してみましょう。
また、火の始末など命にかかわる暮らしのことができなくなると一人暮らしは諦めざるを得ません。親と離れて暮らしていると「何かあったら」という心配が頭から離れないという声をよく聞きますが、認知症があればなおさらです。