親の生活習慣に組み込める「みまもりサービス」を活用する
「このような心配を多少なりとも軽減するには遠くで暮らす家族以外にも親の近くで“見守る目”を確保することが必要です」と太田さんはアドバイスします。
親戚や隣近所の人に異変を感じたら知らせてもらえるように頼んでおくのがよいでしょう。ご近所づきあいがない場合は緊急時の対応についてケアマネジャーや民生委員などと相談しておきます。
同時に自治体が一人暮らしの高齢者を対象に提供する「緊急通報システム」を利用すると安心感が増すでしょう。
このサービスは、その名のとおり緊急時に親が通報ボタンを押すとあらかじめ決められた地域センターや消防署などに通報され、地元の協力員や警備員が駆け付けて必要に応じて救急車を呼んでくれるものです。費用は無料もしくは低額な料金で設定されています。利用したい場合は市区町村または地域包括支援センターに問い合わせてください。
一方、定期的に安否確認してくれる「みまもりサービス」もいろいろあります(下表)。
親の安否を確認してくれる主な「みまもりサービス」
「遠距離介護で自滅しない選択」(太田差惠子 著、日本経済新聞出版社)を参考に作成多くの自治体はゴミ出しのサポートや飲料・弁当の宅配サービスなどを利用して人による見守りを提供しています。
また、民間企業では無線通信機やセンサー、ロボットなどのテクノロジーを活用したサービスを提供していますが、「見張られているようで嫌だ」と拒否する高齢者も多いと聞きます。
「テクノロジーを利用する際には親の生活習慣の中にうまく組み込めるものを上手に使うことがポイントです。みまもりサービスの情報を集めたうえで、こうした視点から利用を検討してみるのがよいでしょう」。
『家庭画報』2022年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。