初夏の「行楽昼膳」 第5回(全18回) 首都圏や関西各地から日帰り遠足気分で訪ねられる距離にありながら、別世界を味わえる、個性豊かなレストランにご案内します。
前回の記事はこちら>> 鎌倉 話題の美味散歩
山と海の自然に恵まれ、神社仏閣や古民家なども多く残る古都・鎌倉。
今年の大河ドラマの舞台でもあり、都心からのアクセスもよい人気の観光スポットに、近年、注目のレストランが増えています。ゆったりとした時間が流れる地で、わざわざ足を運ぶ価値のある話題の店を訪ねます。
「知多和牛と山菜」はワイン(グラス1100円〜)と好相性。ワインペアリングやノンアルコールペアリングも好評。庭に臨む個室にて。レストラン ココン Restaurant Cocon(二階堂)
青い暖簾が下がる左奥の建物は安政2(1855)年築。かつては地主の本邸だった。手前は昭和期の増築部で、正面奥は明治期に建てられた蔵。庭の奥には錦鯉が泳ぐ池がある。鎌倉の歴史に想いを馳せて。古民家で味わうモダンイタリアン
鎌倉の中心部から離れた二階堂エリアは、かつて鎌倉幕府の中枢を担い栄えた地。歴史が薫る邸宅地の古民家をリノベーションして誕生した「鎌倉古今」は、1日2組限定のホテルです。
暖簾の右手奥に位置する「レストラン ココン」は、宿泊しなくても利用が可能。160年以上前の太い梁が重厚感を漂わせる店内では、日本の旬の食材を生かしたコースが楽しめます。
メニューに並ぶ料理名は「甘海老と菜花」「喉黒と山葵」「蛍烏賊と山椒」など、一見すると和食のようですが、料理のベースはイタリアン。山形の名店「アル・ケッチァーノ」出身の高橋研二シェフは、修業先の料理哲学を受け継ぎ、地元の食材を生かしています。
ドレッシングの代わりにかぶのすり流しをかけて楽しむ前菜「春野菜と鱶鰭」。たとえば「春野菜と鱶鰭」は、鎌倉産を中心とする約25種類の野菜と、タマリンドペーストで煮たふかひれの前菜。ふかひれにタマリンドの酸味のニュアンスを与えることで、葉野菜の下味に用いた柚子やピンクペッパーの酸味との調和が図られています。
全8品の週末ランチのメインは柔らかな和牛のうまみを生かした一品。知多和牛のカツレツのころもは、竹炭と焦がしねぎのパウダーとパン粉の風味がどこか懐かしく、古きよき日本家屋の風情とさりげなくマッチしています。
下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 Information
レストラン ココン
神奈川県鎌倉市二階堂836
- 昼のコース6050円~(平日)、9350円~(土曜・日曜・祝日)、夜のコース9350円~ 要予約 個室1室あり ※カーナビ利用時、電話番号でのルート検索はできません。
料理内容や食材、産地、営業時間、定休日等は変更になる場合があります。予めご確認のうえ、お出かけください。掲載の料金は税込み価格です。別途サービス料がかかる場合があります。 撮影/阿部 浩 取材・文/小松めぐみ
『家庭画報』2022年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。