子どもへの援助をしすぎていませんか?
困ったことに、距離が近すぎる親子に限って、どちらも現状に疑問を持っていない場合が多いのが実情です。
そうした親子に顕著な傾向としては、緊急性が高くないのに頻繁に電話をかけ合う、子どもに頼まれてもいないのにお金を援助する、子どもの夫の月収や貯金がどのくらいあるかといった経済事情をやたらと詮索するなどが挙げられます。
思い当たるふしがないか、今一度ご自分の行動をチェックしてみてください。
1)独立した子どもが来ると買い置きの食材や日用品を持たせる2)自分の財布を渡して買い物に行かせる3)一緒に買い物に行くと自分が払う4)子や孫にすぐ現金を渡してしまう5)二世帯で旅行に行くときは費用を全部出す6)子どもが家族で帰省するときの交通費を出している7)独立した子どもの保険料や孫のスマホ代を払っている適切なお金の使い方を保つことが幸せな親子関係につながる
子どもが結婚後、親の過干渉がうっとうしいと感じるようになれば、自主的に親から離れることもできますが、どちらも気づいていないなら、初めに親が自覚することが大切です。まずは、子や孫に金銭的な援助をしすぎていないか、見直してみましょう。
買い物に行ったときに何か買ってあげるのならまだしも、子どもが要求してもいないのに定期的にお金を渡したりするのは、どう考えてもおかしなことです。自立した大人同士がすべきことではありませんし、どんどんお互いのもたれ合いから脱け出せなくなり、健全な親子関係からは遠ざかってしまいます。
これほど親から子へのいきすぎた援助が増えている要因には、社会保障など、先行きの不安が増大していることに加え、核家族化が進んだことが挙げられます。
かつては大家族で暮らし、地域とのつながりもあったため、親子関係が煮つまることも未然に防げましたが、今は少人数の核家族の中で解決していかなければなりません。昔なら子どもが5人もいれば孫も10人以上で、親もお年玉をあげるだけで精一杯でしたが、今は子どもはせいぜい2人、孫も3〜4人ですから、親子の結びつきが強くなりすぎるのかもしれません。この傾向は今後も続いていくと思われます。
親から過度の援助を受けてきた子どもは、また自分が親になると同じことを繰り返しかねません。親の側からいきすぎた援助を断ち、自分が先立った後も子どもが自立してしっかり生きていけるよう、適度な距離を保つことこそ、親としての務めではないでしょうか。
親子がお互いに自立して幸せに暮らすために、適切なお金の使い方を心がけるようにしてください。