み〜んな悩みは同じです。
あなた一人じゃないから安心して。
寂庵での月一回の法話もずっと続けています。この間は大雪だったので、みんな来ないだろうと高をくくっていたら、お客さんがどんどん、どんどんやってきてしまって(笑)。慌てて法衣を着て飛び出して行ったということがありましたね(笑)。
150人しか入れないのに、1500人も申し込みがあるんです。北海道や沖縄からも来てくださって。とてもありがたいことですね。
まず、一時間くらい私がお話しして、そのあとに小一時間、身の上相談にのるんです。大勢の人が手を挙げていろいろ話してくれますね。亭主が浮気するとか、嫁姑問題とか、友人に裏切られたとか、子供が学校に行かないとか……。不思議とそういうことに収れんされます。みなさん同じようなことで悩んでいるんです。あなた一人じゃありません。仲間がいっぱいいるわよ、と言ってあげたいわね。
(その2~人生「喜怒哀楽」怒りの巻〜>>)寂庵の庭で微笑む瀬戸内寂聴さん。相手に笑顔を施すことが徳になるという「和顔施」をまさに実践されているような、周囲も幸せにしてくれる笑顔です。(2015年撮影・瀬戸内寂聴事務所提供) 瀬戸内寂聴
1922年徳島県生まれ。1950年頃から少女小説などを執筆、以降数々の作品を発表。73年得度し法名「寂聴」に。74年寂庵を結ぶ。96年瀬戸内寂聴現代語訳『源氏物語』全10巻(講談社刊)刊行。2014年に刊行した『死に支度』(講談社刊)がベストセラーに。近著は『わたしの好きな仏さまめぐり』(マガジンハウス刊)。
【全4回連載】教えて、瀬戸内寂聴さん! こんな時代にどう生きたらいいのですか?
『ときめき』は50代以上の知的好奇心旺盛な女性に向けた季刊の雑誌です。そこが知りたかった、いまさら人に聞けない……という悩みに明快にお応えする一冊です。 別冊家庭画報『ときめき』 2017春号
取材・文/宮本 柊
別冊家庭画報『ときめき』2017春号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。