エメラルドとダイヤモンドが織り成す美しいハーモニー
コロンビア産カボションカットのエメラルドが印象的に7つ配され、ダイヤモンドと美しい調和を奏でています。最高品質の宝石だけが持つ見事な色彩、端正なデザイン……。ブランドの魅力が遺憾なく発揮された、華やかな一本です。ネックレス(Pt×エメラルド計38.14ct×ダイヤモンド計26.34ct)1億7443万8000円(予定価格)/ブルガリ ●お問い合わせ/ブルガリ ジャパン TEL:03(6362)0100最高峰の色石を集めるブランドの底力
解説/山口 遼(宝石史研究家)
珍しくカボションにカットされたエメラルドが7個。ダイヤモンドを埋め込み、やや様式化した花模様のパーツと組み合わせた「ブルガリ」のネックレスです。柔らかい曲線が得意のブルガリにしては、ダイヤモンドのパーツにすべて角がある、ちょっと男性的ともいえる端正なデザインです。
使われているエメラルドは見事としかいいようがありません。エメラルドは、普通小さな亀裂が入っていて、完全に透明なものは非常に少ない。これは7個ともに極めて美しい透明感があり、色も完璧に揃っています。何でもないことのように見えますが、これだけの石を7個も揃えるのは、至難の業です。
ブルガリは1884年に創業して以来、さまざまな色石を組み合わせてカラフルなジュエリーを作ることで知られてきました。多くのグランメゾンの中で、色石を多用することでは群を抜いています。
色石を集めることの厄介さは、同じものが揃わないことです。出たらその場で買う買わないを決心しなければ、とてもいいものは入手できない。その伝統を守るために、一年中世界を駆け回っているバイヤーがいることでも有名です。
このネックレスは、そうした色石の伝統から見ると一見シンプルに見えますが、これほどのエメラルドを7個もあっさりと並べるあたりは、さすがブルガリ。ブランドの底力を感じるネックレスといえますね。
表示価格はすべて税込みです。
撮影/栗本 光
『家庭画報』2022年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。