透明感と温もりある声
© 大辻隆広スクリーンデビュー作品であり、注目を集めるきっかけとなった映画『時をかける少女』で、自ら歌った主題歌がヒット。以来、原田知世は、芝居と音楽、両方の分野で充実した活動を続け、今年デビュー40周年を迎えた。
誰かを演じる女優の仕事に対し、彼女にとって音楽は、その時の自分をそのまま表現できる活動なのだという。
今回リリースされた40周年記念アルバム『fruitful days(フルートフル・デイズ)』も、「気負わず、現在の等身大の私を感じていただける作品になったと思う」と話す。
アルバム・リードトラックとなる「一番に教えたい」では、デビュー時から変わらぬ透明感に温もりと厚みが加わった声で、日常の幸せを歌う。
川谷絵音プロデュースの「ヴァイオレット」で聴かせる柔らかく弾む声は、切なく美しい。
原田が15歳でカヴァーした松任谷由実の「守ってあげたい」は、伊藤ゴローのアレンジで再カヴァーされている。かつてのものとは全く異なる、おおらかな愛にあふれた歌を聴くことができる。
素敵に歳を重ねた経験の結晶のような、優しさに満ちたアルバムだ。
原田知世(はらだ・ともよ)1982年に活動を始め、ドラマ『セーラー服と機関銃』で主演。1983年、大林宣彦監督の『時をかける少女』で映画デビュー。以来、映画『私をスキーに連れてって』、近年は映画『あなたの番です 劇場版』等数々の作品に出演。歌手としても活動し、継続的にアルバムを発表している。
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[CD]
『fruitful days』
初回限定盤(CD+DVD)UCCJ-9237 4070円、通常盤(CD)UCCJ-2203 3300円原田知世、約3年半ぶりのオリジナル・アルバム。ゲスの極み乙女。ほかで活動する川谷絵音が作詞作曲とサウンドプロデュースを担当した「ヴァイオレット」をはじめ、高野 寛、伊藤ゴローらによる新曲、「守ってあげたい」の新カヴァーなど、全9曲を収録。
[収録曲]「一番に教えたい」
「ヴァイオレット」
「邂逅の迷路で」
「守ってあげたい」
「シンシア」ほか
[コンサート]
原田知世40周年アニバーサリーツアー2022
“fruitful days”
2022年6月16日(木)大阪 オリックス劇場
2022年6月18日(土)愛知 名古屋市公会堂
2022年6月20日(月)、21日(火)東京 Bunkamura オーチャードホール
全席指定 8800円
表示価格はすべて税込みです。
構成・文/高坂はる香
『家庭画報』2022年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。