予防だけでなく、着実に“結果”を出す時代へ「本気の頭皮・毛髪ケア最前線」 第3回(全8回) 女性の薄毛や抜け毛の多くは更年期前後から始まり、加齢とともに増えてくる、誰にでも起こり得る生理的現象の一つです。「年齢のせい」とあきらめている人も少なくありませんが、女性の薄毛や抜け毛は治療やホームケアで改善できる時代になりました。一方で、せっかく治療を受けても思うような効果を得られない人もいます。そこで、最先端治療からホームケアで活躍する機器、ヘアケア製品まであらゆる方面から衰えていく毛髪を健やかに保つ情報をお届けします。
前回の記事はこちら>> クリニックの最先端治療で髪の衰えを食い止める
女性の薄毛や抜け毛に対する診療ガイドラインの推奨治療法は効果が弱く、男性と比べて確立された方法がないのが実情です。そこで、再生医療をはじめ最先端治療を中心に発毛・育毛効果がより期待される治療法をご紹介します。
【自由が丘クリニック】
エステから注入療法、植毛まで。多彩な治療で長期に寄り添う
自由が丘クリニック 副院長
兵頭徹也先生日本形成外科学会専門医。北里大学病院形成外科・美容外科、横須賀共済病院形成外科を経て、2018年より自由が丘クリニック勤務。大学院で再生医療の研究を行うなど美容医療の未来のために邁進する。1回きりの治療ではなく、未来の髪まで守り抜く
「薄毛専門外来」を設け、多角的なアプローチで治療を提案する自由が丘クリニック。「女性が毛髪治療に踏み出すのは、勇気がいることだと理解しています」と話す兵頭徹也先生。
そのため、予防としての毛髪エステメニューを入り口として患者の悩みに寄り添い、まずはミノキシジル配合の外用薬や、サプリメントでの治療を行います。
抜け毛予防になる育毛エステを、まずは体験
自分では落としきれない頭皮の汚れをクレンジングし、ミノキシジルを深層に届ける「メソナJヘッドスパ」。環境改善、成分導入、マッサージで髪を育成。外用剤とサプリメントも定評あり
毛髪・頭皮治療は外用剤から。右から、育毛成分ミノキシジルを3パーセント配合した外用薬「リポゲイン」(1万1000円)、頭皮環境を整えるサプリメント「ケアード」(6912円)。それでも結果を得にくい人には再生医療、形成外科クリニックならではの高度な植毛治療という選択肢も。
このうち再生医療は、自身の血液から取り出した多血小板血漿(けっしょう)を頭皮に注入するPRP療法といわれるもの。
「血小板には豊富な成長因子が含まれます。当院では血小板とともに白血球も利用することで、より高い効果を実感していただけます」。
PRP注入療法で効果実感に手ごたえ
薄毛治療に威力を発揮するのが、PRP療法の進化版「ネオPRP(高濃度W-PRP療法)」。自身の血液から遠心分離で抽出した血小板に加え、白血球も利用し、頭皮に注入することで毛母細胞を活性化。育毛と同時に美肌効果を感じる人も多いそう。40代女性がPRP療法による治療を2回受けた場合の症例。後退していた生え際が目立たなくなり、しっかりとした新毛が生えている様子が見られる。額の厚みが増し、横ジワがのびてなめらかになっているのがわかる。生え際やつむじなど、部分的に進行した薄毛を何とか改善したいという思いに応えるのが自毛植毛。自分の毛髪を移植するため定着率が高く、見た目が自然なのも魅力です。
どうしても気になる部位は植毛も可能
男性に比べ、女性は難易度が高いが、薄毛治療の最終手段として植毛治療も実施している。局所麻酔の上で自分の髪の毛を毛髪が薄い部分に移植していく。「育毛は長期で取り組むことが必要。万全の体制でサポートします」。
Information
自由が丘クリニック
東京都目黒区八雲3-12-10 パークヴィラ2階~4階
〔特集〕予防だけでなく、着実に“結果”を出す時代へ 「本気の頭皮・毛髪ケア最前線」(全8回)
表示価格はすべて税込みです。
撮影/三田村 優(取材) 取材・文/冨部志保子
『家庭画報』2022年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。