予防だけでなく、着実に“結果”を出す時代へ「本気の頭皮・毛髪ケア最前線」 第4回(全8回) 女性の薄毛や抜け毛の多くは更年期前後から始まり、加齢とともに増えてくる、誰にでも起こり得る生理的現象の一つです。「年齢のせい」とあきらめている人も少なくありませんが、女性の薄毛や抜け毛は治療やホームケアで改善できる時代になりました。一方で、せっかく治療を受けても思うような効果を得られない人もいます。そこで、最先端治療からホームケアで活躍する機器、ヘアケア製品まであらゆる方面から衰えていく毛髪を健やかに保つ情報をお届けします。
前回の記事はこちら>> クリニックの最先端治療で髪の衰えを食い止める
女性の薄毛や抜け毛に対する診療ガイドラインの推奨治療法は効果が弱く、男性と比べて確立された方法がないのが実情です。そこで、再生医療をはじめ最先端治療を中心に発毛・育毛効果がより期待される治療法をご紹介します。
【サフォクリニック】
真皮移植注入技術を応用して、若々しい頃の頭皮を取り戻す
サフォクリニック 副院長
白壁聖亜先生美容外科美容皮膚科医、日本形成外科学会専門医。湘南鎌倉総合病院などでの勤務を経て2020年サフォクリニック理事に、2021年より現職。女性医師として女性患者に寄り添う治療が支持を得ている。土壌に“種”を蒔くような治療で毛髪という花を咲かせる
女性の薄毛は、原因が複雑であるために、“そもそも抜けやすい体質”をどう改善していくかが課題。
サフォクリニックの「ミラヘアシステム」は、髪が元気に生えている部位の毛包を“種”のように、寂しい箇所に移植する治療法。かつての若々しい頭皮環境を取り戻し、負の連鎖をストップさせます。
「“髪のもと”である毛母細胞を含む真皮組織と脂肪成分を髪が豊かな耳の後ろから採取し、微細に粉砕し液状化したものを再度頭皮に戻します。ご自身の細胞を使う治療のため、安全性が高いのも特徴。真皮中の幹細胞やさまざまな成長因子が毛包の働きを活性化します。また、頭皮にふくよかなハリ感が生まれ、新しく生えてくる髪のうねりが軽減するといった効果も見られます」と白壁聖亜先生。
トリプルの治療を受けた70代の女性の症例。この女性は、施術後6カ月で写真のように頭頂部の脱毛が改善。治療開始年齢が遅くても効果が期待できることがわかる。真皮組織のみのベーシック、同時にPRP(多血小板血漿)を注入するダブル、プラセンタも活用するトリプルのコースがあり、ダブル、トリプルは効果実感も約1か月と早いそう。
「半年から一年に1回、予防治療として活用いただくのもおすすめです」。
ミラヘアシステムの治療の流れ
1 血液検査で健康状態を確認する
薄毛の原因が、甲状腺疾患などの病気に端を発していないことを確認。栄養状態が悪いケースが多いためでサプリメントを処方する。2 耳の後ろから真皮と毛包組織を採取
部分麻酔をし、耳の後ろから米粒大ほどの組織を取り出す。「リジェネラ」という機器で粉砕し注入液に。採取後は形成外科的な縫合をするため、傷跡がほとんど残らない。3 薄毛が気になる部位にマシンで注入
真皮成分を表面から約1.5~2.0ミリの深さに注入していく。ガンを用いるため早く、正確に行える。ダブル、トリプルのコースでは、PRP、グロースファクタープラセンタを順に注入。LED照射でアフターメンテナンス
ミラヘアシステムの効果を後押しする、医療用LEDヒーライトを照射。2つの異なる波長が創傷治癒および頭皮にも最適な環境を作り出す。同時施術で3300円、通常6600円。 Information
サフォクリニック
東京都港区六本木5-17-16 地下1階
〔特集〕予防だけでなく、着実に“結果”を出す時代へ 「本気の頭皮・毛髪ケア最前線」(全8回)
表示価格はすべて税込みです。
撮影/三田村 優(取材)
『家庭画報』2022年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。