普段使いのぬりもの(漆器) 最終回(全10回) より質の高い器を買い求める機運が高まっています。これまで、敷居が高いと敬遠されてきた漆器人気もその流れのひとつ。手に取り、唇に触れるたびに心が和む木の器は、殺伐とした時代にあってゆとりを取り戻す“癒やしの器”としての側面が再評価されています。
前回の記事はこちら>> 【編集担当者実録】本物の漆器は修理すれば一生使えます。ぬりもの修理物語
天然木の木地で作られている本物の漆器は、修理ができます。お鍋や湯豆腐、お蕎麦などに重宝で、ほぼ毎日、使い続けて19年の赤木明登作のお椀。忙しさにかまけ、特に注意を払うこともなくかなり粗雑に使っていたため、傷みが目につくように。
赤木明登うるし工房に問い合わせると「お椀の修理はいつでもできます。ただし1年程度はかかる」とのこと。先輩から結婚祝いでもらった夫婦椀ゆえ愛着もあり、宅配便で修理に出したのは2018年6月末。
before 修理前(ほぼ毎日使って使用歴19年)after 修理後待つこと1年半。ほとんど忘れた頃に新品同様、見違えるようにきれいになった器が「おこころとどきました」というハガキとともに戻ってきました。毎日、心豊かにしてくれる器。一生、大事に使い続けたいと思っています。
掲載漆器についてのお問い合わせは、『家庭画報』2022年5月号96~97ページまたは、
第2回のギャラリーをご参照ください。
『家庭画報』2022年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。