「ジュエリーの真髄」を知る 第8回（全14回） 美術館や博物館で観るような歴史的な芸術品から、日々を彩る日常使いの輝きまで……。美しいジュエリーには、夢や希望を与え、人々の心を潤す圧倒的な力があります。学び、愛で、そして楽しむ。ジュエリーの真髄を知れば、私たちの人生はもっと心豊かなものになることでしょう。
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Bvlgari（ブルガリ）── 色石の魔術師
古代遺跡の壮麗なモザイクがグラマラスな造形で今、甦る
ローマ歴史地区にある古代遺跡、カラカラ浴場に残されたモザイクの扇形のパターンから想を得たデザイン。ブルガリを愛したハリウッドスターたちに敬意を捧げ、ディーヴァと称される女性たちを讃えたネーミングです。温かみを感じさせるカラーストーンの優しい配色が視線を引きつけます。「ディーヴァ ドリーム」ネックレス（PG×ルベライト×アメシスト×ダイヤモンド）2296万8000円（予定価格）／ブルガリ（ブルガリ ジャパン）永遠の都ローマから得たインスピレーションを巧みに織り込んで
めくるめく色彩の組み合わせ、リュクスなボリューム感、均整のとれた力強いフォルム……。ひと目でわかる独自のスタイルを確立した「ブルガリ」。そのルーツはローマにあります。
腕利きの銀細工師の息子だったソティリオ・ブルガリが故国ギリシャからローマに移り、1884年に銀細工の店を構えたのが始まり。以来、一族はこの地に根ざし、古代ローマの芸術にインスパイアされた傑作を生み出し続けてきました。
古代ローマ皇帝ハドリアヌスのアンティークコインを力強いデザインで仕立てた「モネーテ」ペンダント。撮影／Fumito Shibasaki〈DONNA〉ソティリオの息子たちの代になると、ブルガリのジュエリーはプレシャスストーンの鮮やかな色彩を帯び始め、孫たちの代に色づかいはさらにドラマティックになっていきました。
エメラルド、ターコイズ、アメシストの意外性のある組み合わせもその一つ。銀幕の女優たち、とりわけエリザベス・テイラーは、ほかでは味わえないその色彩の魅力に熱狂しました。
1968年に作られたビブ（よだれかけ）ネックレス。インパクトたっぷりに胸もとを飾るスタイルが大変な人気に。近年のクリエーションもまた、ローマにインスパイアされたデザインで仕立てる伝統に変わりはありません。現在のジュエリー クリエイティブ ディレクター、ルチア・シルヴェストリが世界中から集めた上質なジェムストーンは、身につける人を魅力的に引き立てるマジカルなパワーを持っているかのよう。
アメシスト、シトリン、ルベライト、トパーズ、ローズクォーツを配した「マニフィカ」ネックレス。それらは際立ったインパクトを放ちながらも、日常の装いにもフィット。最高級の宝石はフォーマルな夜会でつけるもの、という固定観念を、ブルガリは大胆にくつがえしてみせたのです。
ローマ、コンドッティ通りにたたずむ本店【1884年創業 創業者：ソティリオ・ブルガリ】●ブルガリ本店［Bvlgari Flagship Store］Via dei Condotti 10, Roma, Italy
●ブルガリ 銀座タワー東京都中央区銀座2-7-12 TEL：03（6362）0111
撮影／Fumito Shibasaki〈DONNA〉 スタイリング／阿部美恵 取材・文／本間恵子
『家庭画報』2022年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
