新知見2：毛髪の寿命を延ばす赤色LEDを習慣に
特効薬がない女性の薄毛に確かな変化をもたらす
ヘア機器や美顔器に使われる赤色の光には、血流やコラーゲンの生成を促したり、毛穴を目立たなくするエイジングケアの効果があることがわかっています。紫外線のように肌にダメージを与える心配のない、安全な光です。この赤色LEDを用いた治療に取り組んでいるのが、大阪大学の乾 重樹先生。
「赤色LEDを用いた照射治療は、毛乳頭細胞と呼ばれる毛を作る組織を活性化し、毛の成長を促すと考えられており、医療機関でも行われています。毛が早々に抜け落ちてしまうことを防ぎ、一本一本の毛の寿命が延びる。なので毛が増えるというわけです」
赤色LEDの照射による育毛効果
週1回、70代の女性に20分の赤色LED照射のみの治療を行った約6か月後の症例。毛髪の密度が増し、軟毛率が65パーセントから40.4パーセントに改善。有効な結果が見られた。「乾 重樹: LED機器による発毛メカニズム.Bella Pelle7:14-18, 2022.」より医療機関での治療だけでなく、ホームケアも大切と乾先生。
「家でのケアは毎日できますから、明らかに結果が変わってくるでしょう。また男性と違って女性には、抜け毛や薄毛に効く特効薬はないに等しい状況です。そういう意味でも、赤色LEDを照射する家庭用の機器は非常に有効と考えています」。
家庭用LED照射機器のなかには、頭皮だけでなく、顔や体のケアにも使えるコンパクトな製品も登場しています。夫婦で使えるのも魅力です。
大阪大学医学部皮膚・毛髪再生医学寄附講座 特任教授
心斎橋いぬい皮フ科院長
乾 重樹先生1991年大阪大学医学部皮膚科学教室に入局し、2018年より現職。日本皮膚科学会専門医、日本アレルギー学会専門医・指導医。日本臨床毛髪学会理事長も務める。
