新知見4:メラニンの輸送異常が見られる初期白髪を救う〔ミルボン〕
初期の白髪は、黒髪に戻れる可能性を秘めている
白髪には、これまで2つのタイプがあることが知られていました。
1つは、黒い色素を作るメラノサイトや色素幹細胞が完全になくなってしまった回復が見込めない白髪。2つめは、色素を作る細胞が残っていても、メラニン色素が作れない白髪。
そして今回ミルボンが発見したのは、色素は作られているものの、それを運ぶ遺伝子が劣化して働けないタイプの白髪です。
「白髪の観察を続けるうちに、全体は白いけれど、毛根に黒い色素がある毛髪を発見し、白髪率が低い人に多く見られることから、これを食い止められないかと考えました」とミルボンの永見恵子さん。
毛根部に色素をもつ初期白髪
毛包の赤丸部分に、アメーバのような形状のメラノサイト(色素を作り出す細胞)が確認できる。提供/ミルボンなんと3451人から白髪を採取し、遺伝子発現量を調査。その結果、白髪の初期段階では、メラニン色素の輸送に関わる遺伝子「メラノフィリン」の発現量が低下している事実をつきとめました。
「この初期白髪に着目し、葛根やカモミラ、タイムのエキスを配合した頭皮美容液のテストでは、髪の総量とともに、黒髪の割合が増えたことが確認できています」。
葛根エキス、カモミラエキス、タイムエキスを含む製品使用の前後の変化
50代男性が3か月使用して頭皮ケアを行った結果、白髪が目立たなくなった。白髪の予防だけでなく、減少にも効果が期待できる。提供/ミルボン白髪をこれ以上増やさない。そんな頭皮ケアを選べる時代が到来しています。
ミルボン 開発本部 基礎研究グループ主任研究員
永見恵子さん育毛や白髪の研究に従事。日本色素細胞学会での「白髪化の抑制に関する研究」をはじめ化粧品業界で最も権威のある「IFSCC」でもアワードを受賞。
〔特集〕予防だけでなく、着実に“結果”を出す時代へ 「本気の頭皮・毛髪ケア最前線」(全8回)
取材・文/柳田美由紀
『家庭画報』2022年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。