子世代の生活を守りながら“そこそこの親の幸せ”を目指す
それはきょうだいにおいても同じです。「別々に暮らすようになって長い年月が経っており、家族構成も経済状況も価値観も違ってきている中、わかってくれるはずと考えるのは禁物です」と太田さん。また、親との相性や関係性も親の介護へのかかわり方には影響すると指摘します。
夫婦、きょうだいで介護を分担するときのポイント
『遠距離介護で自滅しない選択』(太田差惠子 著、日本経済新聞出版社)を参考に作成「法律上は親に対する扶養義務を等分に負っているとはいえ、さまざまな事情や感情から親の介護を遠ざけているきょうだいを引き入れるのは難しいでしょう。しかし、一人だけに負担が集中しないようにするには、できるだけ早い段階でしっかり話し合うことが必要です。不満をため込んで感情が爆発してから話し合ってもますますこじれるだけです」。
話し合いでは、きょうだいが同じ方向性のもと動けるように方針を決めましょう。その際、それぞれの生活を守ることを大事にしながら“そこそこの親の幸せ”を目指すときょうだいの協力を得られやすいと太田さんはアドバイスします。そして、きょうだい間で事前の相談と情報共有を徹底しつつ、得意分野で親の介護に貢献することをすすめています。
『家庭画報』2022年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。