撮影に入るまでずっと根っこにあった「清美はどんな人なのか」
人間だけれど人間から遠いところにいる存在。そんな謎かけのような言葉を吉田監督に投げかけられた市川さんは、「人間じゃない? どういうことなんだろう?ってなりますよね(笑)。監督にそう言われてから撮影に入るまでずっと、清美はどういう人なのかなって思いながら過ごしていました」といいます。
「そのときどきに気になったり、興味を持ったりすることをしていたんですけど、根っこに“清美はどんな人なのか”ということがあって動いていたなとあとから思って。ただ、現場に入ってみないとわからないところもありますし、監督はとても具体的な演出をしてくださるので、撮影を進めながら清美という人を知っていったと思います」
その吉田監督も、市川さんいわく「清美に関しては、探っていたような気がします」。
「あまり言葉を発さない清美像を、感覚でつかもうとしているところがお互いにあったように思います。監督が伝えようとしているものを、私も感覚で受け取ろうとしているような……」
吉田監督の演出で印象に残っていることを聞いてみたものの、「一番最初に人間から遠い存在って言われたのが衝撃的すぎて(笑)」。