• TOP
  • 開運
  • 五木寛之さんが「捨てない」という言葉に込めたメッセージ

開運

五木寛之さんが「捨てない」という言葉に込めたメッセージ

2022.05.31

  • facebook
  • line
  • twitter

Q9 東日本大震災やコロナ禍など、この10年ほど未曽有の出来事が続いていますが、先生に変化をもたらしたものはありますか?


五木 特にありません。僕にとっては、敗戦が最もショックな出来事で、戦後はすべてその影がついて回り、支配されてきたからです。コロナ禍で朝型になりましたが、それも環境に適応しただけです。

“捨てる”ということでいえば、東日本大震災の後に絆を取り戻そうというブームが起こったときには、時代が変わったなと思いました。寺山修司や立松和平など、僕らの世代の考え方としては、地縁、血縁を切って、いかにして東京砂漠に出てくるかという考え方がありました。絆の本来の意味は、動物や家畜を逃げないように縛りつけておく綱のことです。絆は、心強いと同時に非常に重荷にもなるものだったのですが、ずいぶん変わったものだと感慨深かった思い出があります。

Q10 この書籍で伝えたいメッセージは?


五木 今までも、『生きるヒント』など、さまざまな著書を書いていますが、この本を含めて、生き方の手引きを示そうとしているわけではありません。モノを“捨てる”“捨てない”は、糸口でしかありません。そこを入り口にして、廊下を通った先にある“捨てる”ことの先につながる命や社会が抱えている大テーマに自然と歩み寄っていけるきっかけになれば嬉しいです。


「命、文化、国……。世の中は決して捨ててはいけないものに溢れています」

五木寛之(いつき・ひろゆき)

1932年福岡県生まれ。作家。早稲田大学ロシア文学科中退。66年デビュー作の『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞ほか、受賞作多数。近著には第64回毎日出版文化賞特別賞を受賞した『親鸞』など、仏教に関心を寄せた著作が多い。

『捨てない生きかた』(マガジンハウス刊)

『捨てない生きかた』(マガジンハウス刊)何年も着ていない服や、古い靴、鞄、本、小物たち。一見、何の役にも立たないように見える愛着のある「ガラクタ」こそ、後半生を豊かに生きるために大切にすべき回想の友であると提言。捨てる身軽さより、捨てない豊かさに気づかされる、コロナ以降の新時代の生きるヒントが詰まっている。
『捨てない生きかた』Amazon販売ページはこちら>>





〔特集〕[特別インタビュー]この混迷する時代に 五木寛之への10の質問



01 “捨てない生きかた”に至ったきっかけは?

02 モノとの出会いは一期一会。

03 捨てて後悔しているモノはありますか?

04 孤独とどう向き合うか。無理をする必要はない

05 五木寛之さんが「捨てない」という言葉に込めたメッセージ/a>





この特集の掲載号
『家庭画報』2022年6月号



『家庭画報』2022年6月号


撮影/伊藤彰紀〈aosora〉(人物) 中本徳富 取材・文/小倉理加
『家庭画報』2022年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
  • facebook
  • line
  • twitter

12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2024 / 11 / 22

他の星座を見る

Keyword

注目キーワード

Pick up

注目記事
12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2024 / 11 / 22

他の星座を見る