大人になって気づけた作品に描かれた新たな魅力
ミュージカル『るろうに剣心 京都編』の製作発表会見の際に緋村剣心に扮して、機敏な動きと精彩な刀捌きで、圧巻の殺陣を披露してくれた小池徹平さん。まずはどれくらいの期間を経て、その技を習得したのかを伺った。
「僕は殺陣自体それほど経験がないのですが、この殺陣の練習は1週間ほどでした。脚本をいただいたのが10日前で、その3日後に本読みがあって、そこから殺陣と本稽古が始まりました。本当に気が気ではない日々だったんです。でも、この殺陣がご覧になるかたの作品への印象を左右すると思ったので、本稽古が終わった後に居残って殺陣の練習に打ち込みました。
披露した殺陣は動きがすごく速いのですが、少しでも間違ったら危険です。かといって、映像のように編集もできないので、生身のアクションで魅せなければなりません。いろんな課題が山積みでした。激しい動きなので全身が筋肉痛になるほど痛くて、正直いって楽しめるところがあまりありませんでした。しかし、この1週間に及ぶ稽古のおかげで剣心の癖や特性などの大量のデータを一気に叩き込めたように思います」
「『るろうに剣心』は面白い。ミュージカルでそれを伝えたいです。原作や映画も見てください」── 小池徹平さん
『るろうに剣心』といえば『週刊少年ジャンプ』に掲載されて大ヒットした作品で、アニメーションや映画の評価も高い。
今回は特に人気のある“京都編”が題材として選ばれた。主人公・緋村剣心を演じる小池さんは作品に対してどのような思いを抱いているのだろうか。
「子どもの頃に読んだときはチャンバラが大好きだったので、剣心のバトルがすごくかっこいいと思って憧れの気持ちもありました。それが大人になって読み返してみると、バトルだけではないことに気づけたんです。剣心が“人斬り抜刀斎”から流浪人・緋村剣心として生きる、その生き方がかっこいいと思うようになりました。剣を振るっても殺さないという誓いでみんなを助けたり、出会う剣客たちと剣を交えながら新しい道へと導いたり。そんな剣心の真の優しさや強さに魅力を感じました。この作品の面白さをミュージカルを通して届けたいです」