ちょっとおへちゃな人の方が
後々成功するものよ!
どうしたら自信が持てるか。これもよく聞かれる質問です。つまり、自分に自信が持てない人が多いということよね。誰にでも必ず、その人ならではの才能があるんです。自分と向き合って、自分の長所をよく考えることです。
コンプレックスを持っている人のほうが後々成功します。ちょっとおへちゃな人が自分の才能を磨き、おしゃれをして上手にお化粧して、中年になったら「きれいな人」と呼ばれるようになっていたという女性いるでしょう?
生まれつきの美人は、たいていこうしたらよく見えるかしら、あれを頑張れば素敵になれるかなという努力をしていないんです。自分というものが練れていないのね。
容貌なんかで人間の価値は決まりません。でも、顔のことでいやな思いをするくらいならどんどん整形すればいいのよ。私が伝記を書いた田村俊子や管野須賀子は100年前に整形しましたからね。すごいわよね。
私も若い頃、整形を受ける暇があれば、きっと鼻を高くしていたわね。子供の頃、「鼻が低い」って言われたのが悔しくて、洗濯バサミでつまんでいました。母に「あなたは笑顔が素敵だから、いつでもニコニコしていなさい」と言われて。それを素直に聞いて、今に至っています(笑)
瀬戸内寂聴
1922年徳島県生まれ。1950年頃から少女小説などを執筆、以降数々の作品を発表。73年得度し法名「寂聴」に。74年寂庵を結ぶ。96年瀬戸内寂聴現代語訳『源氏物語』全10巻(講談社刊)刊行。2014年に刊行した『死に支度』(講談社刊)がベストセラーに。近著は『わたしの好きな仏さまめぐり』(マガジンハウス刊)。
寂庵の庭で微笑む瀬戸内寂聴さん。相手に笑顔を施すことが徳になるという「和顔施」をまさに実践されているような、周囲も幸せにしてくれる笑顔です。(2015年撮影・瀬戸内寂聴事務所提供) 【全4回連載】教えて、瀬戸内寂聴さん! こんな時代にどう生きたらいいのですか?
『ときめき』は50代以上の知的好奇心旺盛な女性に向けた季刊の雑誌です。そこが知りたかった、いまさら人に聞けない……という悩みに明快にお応えする一冊です。 別冊家庭画報『ときめき』 2017春号
取材・文/宮本 柊
別冊家庭画報『ときめき』2017春号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。