1300年前よりある古刹へ
唐門(左部分)は豊臣秀吉が建てた大坂城の現存する唯一の遺構。唐門と観音堂、秀吉の御座船の骨組みを用いた舟廊下(重要文化財)は2020年に修復が完了。竹生島宝厳寺の始まりは724年。聖武天皇が、夢枕に立った天照皇大神から「江州(〈ごうしゅう〉近江国の別称)の湖中にある小島は弁才天の聖地。寺院を建立せよ」とのお告げを受け、僧行基に開基させました。
本堂に安置されているご本尊の秘仏、大弁才天は江の島、宮島と並ぶ「日本三弁才天」の一つ。普段は非公開で、60年に一度のご開帳は次回2037年です。唐門(国宝)は総黒漆塗りで金彩や色鮮やかな彫刻が映える桃山様式らしい遺構。
観音堂(重要文化財)は千手千眼観世音菩薩が安置されており、西国三十三所観音巡礼の第三十番札所となっています。『平家物語』の「竹生嶋詣」では、平 清盛の甥、平 経正が「一度でもここに参詣した者は願いがすべて叶うと聞いている」と語り、琵琶を奏でたとされる聖地。今も美しくロマンに満ちています。
竹生島宝厳寺(ちくぶしまほうごんじ)滋賀県長浜市早崎町1664‒1 TEL:0749(63)4410
下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 取材協力/御堂龍児 撮影/本誌・坂本正行 取材・文/清水千佳子
『家庭画報』2022年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。