不幸は悲しい顔が好き。
幸せは笑顔が大好きよ!ニコニコしてたらいいことがあります
仏教に「和顔施(わがんせ)」という言葉があります。相手に笑顔を施すことが徳になるという考え方です。いつもニコニコしていれば、周囲も笑顔になって幸せな気持ちが広がっていく。そういうものなんです。
歌手の美輪明宏さんは、いつまでも美しくて、だんだん若返っていくようですよね。美輪さんの自宅には鏡がいたるところに置いてあるそうです。鏡を見るときって、誰でも自分のいちばんいい笑顔をするでしょう。その顔がみっともなければ、努力するわよね。鏡を選ぶポイントは、あまり上等じゃない物ね。そのほうが、アラが目立たないでしょう(笑)。
それから、いくつになってもお化粧をして、おしゃれも楽しみましょう。身なりを構わないことは、自分を見限ることですから。
不幸は悲しい顔が好き、幸福は笑顔が大好きなんです。苦しい時ほど努めて、笑顔でいましょう!
瀬戸内寂聴
1922年徳島県生まれ。1950年頃から少女小説などを執筆、以降数々の作品を発表。73年得度し法名「寂聴」に。74年寂庵を結ぶ。96年瀬戸内寂聴現代語訳『源氏物語』全10巻(講談社刊)刊行。2014年に刊行した『死に支度』(講談社刊)がベストセラーに。近著は『わたしの好きな仏さまめぐり』(マガジンハウス刊)。
寂庵の庭で微笑む瀬戸内寂聴さん。相手に笑顔を施すことが徳になるという「和顔施」をまさに実践されているような、周囲も幸せにしてくれる笑顔です。(2015年撮影・瀬戸内寂聴事務所提供) 【全4回連載】教えて、瀬戸内寂聴さん! こんな時代にどう生きたらいいのですか?
『ときめき』は50代以上の知的好奇心旺盛な女性に向けた季刊の雑誌です。そこが知りたかった、いまさら人に聞けない……という悩みに明快にお応えする一冊です。 別冊家庭画報『ときめき』 2017春号
取材・文/宮本 柊
別冊家庭画報『ときめき』2017春号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。