フランス人の大好きな定番メニュー
文・タサン志麻
今回ご紹介するステーキ&ポテト「ステックフリッツ」もフランス人の食卓に欠かせない料理の一つで、わが家でもたびたび登場します。
肉の味つけは塩・こしょうだけでも十分ですが、今回はスパイスとにんにくを加え、オイルでマリネしました。オイルにつけるとしっとり柔らかく焼き上がるので、ステーキがうまく焼けないというかたにもおすすめです。
前日につけ込む場合はオイルとにんにくのみにし、塩・こしょうとスパイスは焼く前に。すぐに焼きたいときは先に味をつけ、コーティングするようにオイルをふって15分程度おきます。これだけでも仕上がりが変わるので、前菜を作り始める前にすましておきましょう。
前菜もまたフランス人の定番卵料理「ウフマヨ」。ウフとは卵、マヨはマヨネーズで、文字どおりゆで卵にマヨネーズをかけただけのものです。
肉もマリネして焼いただけですから手抜きと思われるかもしれませんが、フランス人は作る時間よりも食べる時間を大切にしますから、簡単に作ってその分楽しく時間をかけて食べられるメニューはぴったり。私もそんな考え方が大好きです。
とはいえ、ゆで卵にマヨネーズをかけただけではちょっと寂しいので、ツナやオリーブ、アンチョビーやゆでたアスパラガスなどを添えてアレンジしたり、マヨネーズを手作りしてみたり、ゆで卵の固さを変えるのも楽しいものです。
前菜を作り終えたらいよいよステックフリッツです。まずはフライドポテトから。フライドポテトは冷たい油で揚げ始めます。
ある程度温まったら火が通るまではじっくり弱火にし、仕上げに強火にすることで外はカリッ、中はほっくりとした食感になります。細切り、太切り、皮つき、皮なしといろいろ試してみて自分好みを見つけてください。
ステーキはフライパンを熱してさっと焼くか、お持ちのかたはグリルパンがおすすめ。どちらも肉をのせすぎると蒸れてしまうので、なるべく間隔を開け、動かさずに押さえてこんがりときれいな焼き目をつけると香ばしくなっておいしさが倍増します。
忙しい日こそ、簡単にできる定番フレンチでゆっくりと食事の時間を楽しみましょう!
◆志麻さんのキッチンが知りたい!◆
肉も野菜もグリルパンで香ばしく
道具にこだわらない志麻さんが珍しく強く推すのが、ステーキを焼いた「グリルパン」。フランスの家庭ではよく使われるそうです。
溝があるため適度に水分が飛び、素材が蒸れずに香ばしく焼き上がり、肉は余分な脂を落とせます。
シンプルな味つけで、素材のおいしさを引き出すことが上手なフランス人らしい道具。格子状の焼き目もご馳走感を盛り上げます。