365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。
一覧はこちら>> サルビア・スプレンデンス
赤いサルビアといえばスプレンデンス。神奈川県平塚市のガーデンでも燃えるようなサルビアの衝撃的に美しい景色を見ました。■属科・タイプ:シソ科の一年草
■花期:7月〜6月
■草丈:30〜40cm
一年草のサルビアにこんなに素敵な花色が揃っていたとは!
サルビアは種類が多くで、一年草、宿根草、どちらもよく庭づくりに利用されます。今回は一年草を代表するスプレンデンス種をご紹介します。
数年前のこと、「水戸市植物公園」の西川綾子園長から「サルビアがきれいだから見に来ませんか?」とお誘いを受けました。サルビアというと庭づくりではさまざまな花を引き立てる名脇役。どんな使い方をしているのだろうと楽しみに出かけたところ、その庭を見てもうびっくり! サルビアが脇役ではない! 完全にサルビアが主役の庭がそこにありました。
植えられているすべてのサルビアを写真に撮れば、すてきなサルビア図鑑ができるくらい種類豊富。その種類をそれぞれの特長を生かしてデザインしている庭は言葉も出ないくらい美しく、感動を覚えました。サルビアは脇役という私の認識が変わったのは、この訪問がきっかけです。
多くのサルビアを見た中で、花色の豊富さに驚いたのが一年草のスプレンデンスです。赤いサルビアといえばスプレンデンス、というくらい赤の印象が強かったのですが、最近ではかわいらしいピンクの濃淡やサーモンピンク、シックな紫色など、すてきな花色が豊富に揃っています。スプレンデンスは草丈が低めなので花壇の前方に使われることが多く、しゃがんで眺めるとそのユニークな花形もあらためておもしろいなあと興味がわいてきます。夏の暑さに負けずに秋まで咲き続けてくれるので、公共の花壇や個人邸の庭でもよく利用されています。個性的な花色のスプレンデンスをぜひ見つけてください。
赤い部分は花ではなく萼(がく)。萼がたくさん並んでボリューム感ある花穂になります。栽培の難易度
春〜初夏にポット苗が出回りますが、タネからでも比較的容易に栽培できます。タネまき適期は4月〜5月。生育が旺盛で花期も長いので、定期的に追肥をするのがおすすめ。月に1回程度、粒状の緩効性肥料をまくか、置き肥をします。咲き終わった花穂は摘み取ります。
【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい ・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる 高梨さゆみ/Sayumi Takanashi
イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。