気持ちも、体型も変化していく40代以降。大人だからこそ似合う服を知りたいという迷い世代の女性に、スタイリストおおさわ千春さんがおすすめするブランドやアイテムを紹介します。 第9回は、おおさわさんがデイリーに愛用しているという、ボッテガ・ヴェネタのイントレチャートのバッグにフォーカス。進化し続ける名品の最新作をご覧ください。
前回の記事を読む>>第9回 デイリー使いの定番バッグはボッテガ・ヴェネタで
皆さんは、バッグ、お財布、名刺入れ……と、同じコレクションで揃えるくらい気に入っているブランドはありますか? 私にとって、ボッテガ・ヴェネタのイントレチャート(短冊切りのレザーを丁寧に編み込む技法のこと)のコレクションがまさにそれ。
1966年、イタリアのヴェネト州ビツェンツァで創業したボッテガ・ヴェネタ。上質でなめらかくなめした革を手作業で編み込んだ「カバ」は、当時からブランドを物語る存在でした。15、6年くらい前に黒のトートバッグ「カバ」を購入し、使うたびに柔らかくなじんでいくレザーや、キズを気にすることなく気軽に使えるところに惚れ込んで以来、お財布やカードケースまでをイントレチャートのコレクションで揃えています。革小物に関しては、1年半ごとに新しいものに買い替え、現在4~5個持っているほどのファン。
最近は「カバ」を少しお休みさせていたのですが、2022年のフォールコレクションから、新しいクリエイティブ・ディレクターにマチュー・ブレイジーが就任。それに合わせて、プレフォールのタイミングで「カバ」が再フィーチャーされると聞いて、私も久しぶりに「カバ」を使ってみようかなと思っているところです。
マチュー・ブレイジーは1984年パリ生まれ。「ラフ シモンズ」、「メゾン マルジェラ」「セリーヌ」「カルバン・クライン」で経験を積み、「ボッテガ・ヴェネタ」に。2022年2月にデビューコレクションを発表しました。流行や年齢に関係なく持てることを考えると、少々値は張りますが、投資する価値があるバッグだと思います。今回は、「カバ」の新作をはじめ、デイリー使いにおすすめのイントレチャートのバッグをピックアップしました。
すべて手作業で編み上げる
憧れの名品バッグ
名品バッグとして絶大な人気を誇る「カバ」。ダブルフェイスのフェットゥーチェ(短冊切りのレザー)を2人の熟練職人が、手作業でまる2日かけて編み上げるバッグは、ブランドロゴがなくてもひと目でボッテガ・ヴェネタだとわかる美しきアイコン。
今季からは、ハンドルのステッチをなくしたスマートなデザインや、内側の底に革板を太めの糸で手作業で縫いつけることでシェイプをキープするなど、ディテールをアップデートすることで、更に使いやすくなりました。
私自身「カバ」を愛用していて実感しているのは、仕事でもオフの日でも両方使える便利なバッグだということ。レザーを丹念に格子状に編み込んであるので丈夫ですし、荷物が多いときでも気兼ねなく入れられるので便利なんです。白い「カバ」は、今季から仲間入りした小さめのフォルム。サイズ違いで揃えたくなりますね!
最上級の羊革のみで使られる「カバ」。裏地のないバッグには、取り外し可能なファスナー付きポケットがついています。「左の大きいサイズにはストラップがついていませんが、トップハンドルを肩に掛けられるんです。レザーが柔らかいので、肩に優しくフィットします」。バッグ〈左〉(横40×縦45×マチ16㎝)94万500円 〈右〉取り外し可能なストラップ付き。(横20×縦15×マチ12㎝)51万7000円/ともにボッテガ・ヴェネタ(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン)イントレチャートを継承しつつ
モダンに進化した「アルコ トート」
発売以来、一大ブームを巻き起こしたマキシサイズのフェットゥーチェを使用した「アルコ トート」。イントレチャートを継承しつつ、すっきりとしたミニマルな表情が魅力です。
ハンドルは編み込みの隙間に固定されており、表からは接着部分が見えない構造に。また、フェットゥ―チェは断面が未仕上げ(染料を手作業で塗布していない状態)で、ステッチをかけないボンディングの方法を採用しています。 装飾を最小限にすることで、上質なレザーとイントレチャートが存分に楽しめるデザインになっています。
開口部には、ブランドを代表する“結び目”から着想を得たレザーの紐が、留め具としてあしらわれているのも小粋なアクセント。とても軽いので、デイリーに使うのにぴったりのバッグだと思います。
おおさわさんのおすすめは、洋服とコーディネートしやすいベーシックな3色。「かちっとしたスクエアフォルムなので、ジャケットなど、きちんと感のある服とも好相性です」。太い幅のフェットゥーチェを使った贅沢な作り。内側部分も表面と同じ品質のラムスキンを使っており、表からも裏からも美しい。スエード素材のフック付きミニポーチ付き。バッグ〈左〉「スモール アルコ トート」(横30×縦20×マチ11.5㎝)31万9000円 〈中・右〉「ミニ アルコ トート」(横25×縦16×マチ8㎝)各28万6000円/すべてボッテガ・ヴェネタ(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン)今季のトレンド色でもあり、
ブランドを象徴する鮮やかなグリーン
小物で旬を取り入れたいという方におすすめしたいのが、こちらのグリーンのバッグ。「パラキート」と呼ばれるビビッドなグリーンは、今シーズンのトレンド色であり、ボッテガ・ヴェネタを象徴するカラー。鮮やかな発色が実に美しく、「あっ、ボッテガだな」とすぐにわかるのも密かな自慢(笑)。
2本使いになっているふかふかのストラップが心地よく、ころんとした正方形のフォルムも可愛い。Tシャツに合わせてカジュアルに持ちたいクロスボディバッグです。
滑らかなラムスキンを使用。ストラップにあしらわれたノットもボッテガらしいモチーフ。「Tシャツ+デニムのときは、足元はスニーカーではなくパンプスを合わせると大人っぽく仕上がります」。バッグ「カセット」(横14×縦14×マチ7㎝)16万5000円 Tシャツ7万2600円 パンツ14万5200円 帽子6万4900円 靴17万500円 ネックレス〈シルバー〉32万2300円 〈ゴールド〉8万1400円 イヤリング30万8000円 リング10万100円 バングル8万8000円/すべてボッテガ・ヴェネタ(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン)ボッテガ・ヴェネタのバッグは、実はメンズも可愛い! ユニセックスで持てるので、パートナーとシェアしてもいいですね。イントレチャートのコレクションは、メンズも充実しているので、是非チェックしてみてくださいね。
●お問い合わせ
ボッテガ・ヴェネタ ジャパン
フリーダイヤル 0120-60-1966
おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト。
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
表示価格はすべて税込みです。 撮影/大見謝星斗 編集協力/湯澤実和子