藤野幸信さんが選ぶ「季節の贈り花」 今、この花を贈りたい! 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが“今贈りたい”おすすめの花をセレクト。その花を使った、新作ブーケ&アレンジメントをさまざまなバリエーションでお届けします。
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筒状の花弁が個性的なガーベラ‘パスティーニ ペサロ’をメインに、シャクヤク、リシアンサスなどを束ねたピンク×黄緑色の華やかなブーケ。妹さんからお姉さんへの贈り花です。素晴らしい生産者さんのガーベラに魅了されています!
静岡県牧之原市のガーベラ専門の生産者「アドアー フローカ」さんが、蕾のままで出荷という画期的なスタイルを始めたのが2018年のこと。茎の先端にパッと花弁が開いた花一輪、というこれまでのガーベラの概念が「蕾ガーベラ」によって見事に覆されて以来、すっかり「アドアー フローカ」さんのファンになり、贈り花にガーベラを利用することも格段に増えました。
ガーベラは花色ミックスで市場に出ることが多いのですが、「アドアー フローカ」さんにお願いすると「トレモロミックス」という私の好みの花色・花形を見事に理解したミックスが届きます。そのセレクトがいつもとてもセンスがよく、それを見るとどんな花と合わせようか、どんな贈り花にしようか、といつも以上に創作意欲がわいてきます。
最近では花弁が細くて長いスパイダー咲きや、花弁がパスタのような筒状になった‘パスティーニ’シリーズなど変化のある花形が登場。花色も鮮やかなビビッド系だけでなく、淡いパステルカラーや少しくすんだ色合いのシックな花色、さらに花心の色が異なるバイカラーなども登場し、花形、花色ともにバリエーションが多様になっています。
「アドアー フローカ」さんから届いたガーベラ‘パスティーニ’ミックス。ひらひらと軽やかな小輪で、夏のヒマワリとも相性抜群です。どの花色も魅力的でしょう!バリエーションが増えれば、他の花ともさらに合わせやすくなるので、ガーベラを贈り花で使う機会はさらに増えそうです。ちょうどこの時期は品種が豊富に揃うので、新しい印象のガーベラで、花と一緒にサプライズを贈るのも楽しいと思います。
ガーベラは花もちがよいので、もともと贈り花には向いています。気温が上がるこの季節は、ブーケであれば花器に入れる水は束ねた茎が5cmくらいつかる程度の浅水にすると茎が腐りにくく、花もちもよくなります。フローラルフォームを利用したアレンジの場合は、新鮮な水を毎日足して、フローラルフォームが乾燥しないようにすることがポイントです。室内に飾ればパッと明るい雰囲気になるのがガーベラの大きな魅力。暑い季節も花を長く楽しめるようひと手間かけてください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。感動する花束を多くの人に届けたいという思いから、市場からだけでなく自ら生産者情報を入手してお気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。著書
『大切な人への贈り花』も好評。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載したオールカラーの大判の単行本。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。